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慶應SDMとアシックス、高精度測位のスポーツ活用でセミナー開催 [前編]

2017年04月02日

慶應義塾大学大学院SDM研究所スポーツシステムデザイン・マネジメント(スポーツSDM)ラボと株式会社アシックスは3月17日、「GPSからMulti-GNSSへ:高精度衛星測位のスポーツ活用に関するセミナー」を慶應義塾大学日吉キャンパス(横浜市港北区)で開催しました。

会場となった日吉キャンパスの協生館

会場となった日吉キャンパスの協生館

このセミナーは、これから2020年東京オリンピック・パラリンピックを始めとするさまざまな世界的スポーツイベントが開催される日本において、マルチGNSSによるスポーツデータの活用への期待と共に、スポーツ分野における衛星測位活用の現状と課題、今後の可能性について議論することを目的としたものです。

慶應SDMの神武氏

慶應SDMの神武氏

開会挨拶に立った慶應義塾大学大学院SDM研究所スポーツSDMラボ代表の神武直彦准教授は、このセミナーを開催した理由について、「GNSSのテクノロジーが高度に進化しつつある中で、この技術をスポーツに適用することで実現できるいろいろな可能性について、さまざまなジャンルのスポーツ関係者やスポーツを好きな人たちと共有したいと思いました」と語りました。

スポーツ関係者や大学による取り組み

続いて株式会社アシックススポーツ工学研究所IoT担当マネージャーの坂本賢志氏が、内閣府事業である「測位サービスを活用したスポーツトラッキングに関する調査」を紹介しました。

アシックスの坂本氏

アシックスの坂本氏

坂本氏は後半にも再び登壇し、「Multi-GNSSのスポーツ活用事例紹介」と題した講演を行いました。この講演で坂本氏は、GPSのみで測位したランニングログと、みちびきを活用したログを比較した結果を紹介すると共に、マラソン大会でのBLE(Bluetooth Low Energy)タグを使った実証実験や、スマートウォッチを使ったリアルタイムコーチングの実証実験など、さまざまな取り組みを紹介しました。

CATAPULT Sportsの斎藤氏

CATAPULT Sportsの斎藤氏

CATAPULT Sportsビジネス開発マネージャーの斎藤兼氏は「CATAPULT Sportsでのアスリート分析」と題した講演を行いました。斎藤氏は、LPS(Local Positioning System)、衛星、センサーなどを組み合わせてアスリートトラッキングのハードウェアやソフトウェアを提供するCATAPULT Sportsの取り組みを紹介し、同システムによってアスリートは怪我を防ぎ、的確な判断を行うことができると語りました。

東京海洋大学の久保氏

東京海洋大学の久保氏

次に東京海洋大学海洋工学部の久保信明准教授が「Multi-GNSSによる高精度測位」と題した講演を行いました。GPSを始め、GLONASSやガリレオ、みちびきなど複数の衛星を使って測位するマルチGNSSの現状や、基準点の補正データを使って精密測位を行う技術であるRTK(=Realtime Kinematic、固定点の補正データを移動局に送信してリアルタイムで位置を測定する方法)などを解説し、低価格のRTK端末の可能性についても説明しました。

講演後に陸上競技場でデモンストレーション

3人が講演を終えた後、それぞれが取り組んでいる製品やサービスのデモンストレーションを日吉キャンパス陸上競技場で行いました。

Catapult OptimEye S5(CATAPULT Sports)

CATAPULT Sportsによるチームスポーツ向けモニター。GNSSで測位した位置情報を無線通信によりリアルタイムにPC上で確認できます。

Catapult OptimEye S5

位置情報を無線で送信

ヘッドフォン型ランニングデバイス(株式会社アシックス)

ソニー株式会社とアシックスとの協業によるランニングデバイス「Smart B-Trainer」は、みちびき対応で走行ルートを記録できるほか、心拍数と連動した音楽再生を行うことができます。

Smart B-Trainer

RTK Multi-GNSSによる高精度測位(東京海洋大学)

RTK GNSS受信機を装備したキャップ。受信機の低価格化により、高精度測位を低コストで実現できます。

受信機を装備したキャップ

後編では、引き続き行われた後半のセミナーとパネルディスカッションの模様を紹介します。

(取材/文:片岡義明・フリーランスライター)
 

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