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測位航法学会、2019年全国大会を東京海洋大で開催

2019年06月03日

一般社団法人測位航法学会は5月15~17日の3日間、2019年度全国大会を東京海洋大学越中島キャンパス(東京・江東区)で開催しました。その最終日に行われた、みちびきの運用や開発計画を紹介する「QZSS特別講演会」の模様を紹介します。

※QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)は「みちびき(準天頂衛星システム)」の英語表記です。

サービスインから半年、運用状況と今後の見通しを示す

左から小暮参事官、石橋氏、神藤氏

左から小暮参事官、石橋氏、神藤氏

内閣府宇宙開発戦略推進事務局の小暮聡参事官(準天頂衛星システム戦略室室長代理)は「QZSS・7機体制実現に向けて」と題して、2018年11月4機体制でサービスインしたみちびきについて、今後は「7機体制を確立し2023年度を目途に運用を開始する」との整備方針を示しました。
また、「準天頂衛星システムの運用状況について」と題して講演した日本電気株式会社の石橋諒馬氏は、みちびきのサービスや地上システムの概要、精度状況などを報告しました。
続いてNECソリューションイノベータ株式会社の神藤英俊氏が「準天頂衛星システム ─ 4 機体制サービス開始 ─ 活用状況の紹介」と題して、これまでに実施してきた農業や除雪分野などの実証実験、災害・危機管理通報サービス(災危通報)を利用した実証実験、衛星安否確認サービス(Q-ANPI)を利用した実証実験などを紹介した上で、現在進められているみちびきを利用した公募実証の事例も紹介しました。

さらなる高精度化に向けた設計や受信機動向を紹介

左から河野氏、松岡氏

左から河野氏、松岡氏

「次世代高精度衛星測位システムの研究」と題して講演した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の河野功氏(研究領域主幹)は、「衛星測位とは、基準局における正確な位置と時刻を、正確性を保ったまま衛星経由で測位ユーザーに伝える技術である」と位置づけ、世界の衛星システムの比較を交えながら、さらなる高精度化に向けた軌道設計や信号設計などを示しました。
また、一般財団法人衛星測位利用推進センター(SPAC)の松岡繁氏(シニアアドバイザー)は、「QZSS 受信機の最新の技術動向」について、GNSS受信機の価格やサイズの推移をグラフで示して、各社の受信機の機能・性能や製品化ロードマップなど最新動向を紹介しました。

利用促進に向けた標準化や受信機開発状況の講演

このほか、「準天頂衛星システム利用促進のための国際標準化」(SPAC・浅里幸起氏)、「Chronosphere- LSI の開発について」(株式会社コア・末武雅之氏)、「AI 化に向けた MEO 確率的選択型と QZSS/IGSO 軌道追尾型の比較について」(横浜国立大学・高橋冨士信氏)などの講演が行われ、来場者との間で質疑応答が交わされました。

左から浅里氏、末武氏、高橋氏

左から浅里氏、末武氏、高橋氏

専門家や学生を対象としたセミナーも開催

講演する細井氏

講演する細井氏

全国大会の初日と2日目には、専門家や実務者、学生を対象としたセミナーも開催されました。セミナーは、「初心者向けGNSS入門講座」(講師:久保信明氏、東京海洋大学)、「RTKおよびPPP技術の基礎と実習」(講師:高須知二氏、東京海洋大学)、「GNSS信号処理概要とSDRによる測位実習」(講師:鈴木太郎氏、千葉工業大学)、「衛星測位と地図情報」(講師:細井幹広氏、アイサンテクノロジー株式会社)の4件で、いずれも実務的な内容であり参加者は皆、熱心に聞き入っていました。

専門家や実務者、学生を対象としたセミナーの様子

参照サイト