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国交省が3月11日、「高精度測位社会プロジェクト」の報告・検討会を開催

2016年03月16日

国土交通省が進める「高精度測位社会プロジェクト」は、世界に先駆けて高精度な測位環境を実現し、外国人や高齢者を始めだれもがストレスを感じることなくオリンピック・パラリンピックを楽しむためのきめ細かなおもてなしサービスを実現することを目指しています。今年度の「高精度測位社会プロジェクト」で行った実証実験の成果報告会と、同プロジェクトの第3回の検討会が、3月11日に都内で行われました。

「東京駅周辺屋内外シームレス測位サービス実証実験」

成果報告会は、まず実証実験公式アプリ「ジャパンスマートナビ」の報告から始まりました。今回の実験では、地下通路に多数のBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを設置して屋内測位を可能にすると共に、PDR(Pedestrian Dead Reckoning、歩行者向け自律航法)による補正機能も搭載。アプリには屋内外でシームレスに利用できるナビゲーション機能を搭載し、東京駅の屋内空間を1つにつなぎ合わせた地図を作成して、現在地や目的地までのルートを確認しました。

BLEビーコンは、既設を含め、東京駅の屋内空間全体にボタン電池タイプを321個、太陽光発電式タイプを21個設置。アプリの対応OSはAndroidで、Google Playにて無料で提供しました。実験期間の2月4日~3月6日に総ダウンロード数699で、当初目標の500をクリア。起動回数は平日1日で平均80回でした。「屋内外シームレスナビのユーザーニーズを把握し、新たなサービスの可能性を見いだせた」「高精度測位社会の実現に向けた検討課題が明確になった」点が得られた成果として挙がりました。

次いで、昨年12月~今年1月にかけて実施されたアイデアソン/ハッカソンについて、ファシリテーターを務めた慶應義塾大学大学院の神武直彦准教授が報告しました。アイデアソンには59人が参加し、東京駅ならびに周辺エリアの魅力向上を目的としたアプリやサービスのアイデア出しや開発を行い、計11のアイデアを創出。またハッカソンには34人が参加し、6つのアプリ/サービスが開発されました。

報告会では、ハッカソンで創出されたアプリ・サービスから、TwitterのBotを利用して東京駅の不満や問題を解決する「まるじいとやえ坊」、バーチャル上のキャラクター「ロケモン」を使ってPOI(Point of Interest、施設情報)を自動的に収集する「東京★モンスターズ」、隙間時間を楽しむためのアプリ「ぶらり、スキマ時間の旅」の3つが紹介されました。

このほか、日本電信電話株式会社(NTT)による、2.5D表現(平面+階層表示)と物体認識技術を活用したナビゲーションを組み合わせる「2.5D表示ナビ+かざしてナビ」や振動デバイスを使用した「視覚によらないナビゲーション」、G空間地下防災システムコンソーシアムの西尾信彦教授(立命館大学)による、防災管理サーバーとスマートデバイスを組み合わせた「地下街防災システム」の成果報告なども行われました。

「第3回 高精度測位社会プロジェクト検討会」

これまで東京駅を舞台に行ってきた、屋内外シームレス測位を使用したアプリやアイデアソン・ハッカソンの開催など一連の取り組みの報告を行うと共に、屋内地図を整備・更新・推進させるための中間団体の検討結果などを報告し、プロジェクトの次年度計画について議論しました。

▽PDF基本情報のオープンデータ公開も検討
「屋内地図整備のための中間団体」は、屋内地図について有償・無償の範囲を設定し、通路や階段、エレベーター/エスカレーター、トイレ/待合室などの情報を収録したPDF基本情報をオープンデータとして公開することも検討します。また、地図の更新は、素材提供者から変化情報を収集する方法をシステム面も含めて検討します。屋内地図の利用方法には、ナビゲーション/バリアフリーサービス、施設・設備管理、警備員・配達員などの位置情報管理といったニーズがあります。

▽都内主要ターミナル駅などに実施場所を拡充
来年度の実証実験では、東京駅周辺に加えて、都内の主要ターミナル駅、空港、競技場などに実施場所を拡充するほか、バリアフリー情報の収集なども検討しています。「ジャパンスマートナビ(トライアル版)」も、バリアフリー情報の提供や多言語対応、iOS対応などを検討。さらに、屋内地図の整備や更新、流通の仕組みの検討・立ち上げや、屋内地図・測位環境等の公開による地図仕様の評価なども検討するとのこと。

今後は、2020年に向けてサービスの実証を行いつつ、民間サービス創出に向けた環境作りも行うことを予定。民間事業者による多様な位置情報サービスが生まれやすい環境づくりを推進し、屋内外のシームレスな測位環境の構築と、そのような環境を利用したサービスの実現に向けて取り組みを続けていく方針とのことです。

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