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国交省が東京駅で高精度測位社会めざすアイデアソン開催

2015年12月20日

2018年に予定されるみちびき4機運用体制の整備に加え、屋内外の測位環境・技術の進展や、スマートフォンなど携帯情報端末の普及・高度化等で見込まれる、高精度な測位環境が整備された社会の実現。その社会像を見据えつつ、空間情報インフラを効率的・効果的に整備する手法や継続的に維持・更新する体制を検討する「高精度測位社会プロジェクト」が進められています。

国土交通省は12月13日、そのプロジェクトの一環として、東京駅周辺の魅力を向上させるアイデアを考える「東京駅周辺の魅力向上サービス創造アイデアソン — 高精度測位社会を目指して」を東京駅近くにて開催しました。

まず野崎・粕谷両氏がインスピレーショントーク

当日はアイデアソンに先立って、株式会社鉄道会館の野崎哲夫・取締役相談役と都市地下空間活用研究会の粕谷太郎・主任研究員が登壇し、アイデアを考える上でのヒントを参加者に共有するために“インスピレーショントーク”を行いました。

東京駅やガーラ湯沢などの開発に携わってきた野崎氏は、東京駅の成り立ちや歴史を紹介するとともに、東京駅地下街の再開発についても語りました。東京駅を単なる“通過する駅”ではなく、情報発信や国際交流の場、そして“街のつなぎ目”とすることを目指す「東京ステーションシティ」構想の実現のため、丸の内駅舎の復元や駅前広場の整備、駅ナカ商業施設の一新、八重洲側の大屋根構造(グランルーフ)など、さまざまな取り組みが行われてきたことを紹介しました。

一方、粕谷氏は、東京駅周辺の地下空間利用の現状について語り、東京駅の地盤や鉄道網、地下街の防災・減災対策などについて詳しく説明しました。さらに粕谷氏は、参加者一同とともに地下街に移動し、丸の内側から八重洲側へと東京駅を横断しながら、地下街の見どころを一通り見学しました。

参加者一同で東京駅地下街の見どころ見学

会場に戻った後は、慶應義塾大学大学院 システム・デザイン・マネジメント研究科の神武直彦准教授がファシリテーターとなってアイデアソンがスタートしました。参加者はそれぞれ自己紹介をした上で、自分が取り組みたいテーマを紙に書き、それを見せ合うことで興味のある人同士が仲間となりました。

11のグループに分かれてブレインストーミング

この日に生まれたのは計11のグループで、各テーブルでブレインストーミングをしてプロダクトのテーマやタイトルを決めました。さらに、そのアイデアのステークホルダー(利害関係者)や、アプリやサービスを実現するために必要なデータを考えました。

アイデアを整理する際には、思いついたことを付箋紙に書いて、それを大きな紙に貼って意見をまとめました。また、ユーザーの感情の動きを時系列にグラフで表す“カスタマージャーニーマップ”という手法も使って、創出されたサービスやアプリケーションがユーザーにもたらす感動を視覚化しました。

締めくくりは各チームのプレゼンテーション

このような作業を経て、グループごとにさまざまなアイデアが生まれました。アイデアソンの締めくくりとして、各チームによるプレゼンテーションが実施されました。

このプレゼンテーションでは、東京駅構内の店舗が各種の情報を配信してユーザーに新たな気付きを与える「東京駅テーマパーク」や、外国人や高齢者に対するボランティアによる案内を支援するアプリ「誰でも東京コンシェルジュ」、分かりやすいナビゲーションのUI(User Interface)を追究する「Easy Pass」、空いた時間に寄り道を楽しんでもらうための情報提供を行う「東京駅ヨリミチ情報」、東京駅を24時間楽しめる環境を整備してその情報を提供する「外国人が24時間楽しめる東京駅」、トイレに特化した検索アプリ「スムーズで安心なナビ!!」など、バラエティに富んだアイデアが発表されました。

同プロジェクトでは年明け1月23・24日の2日間、今回のアイデアソンで創出されたアイデアをもとにアプリのプロトタイプを開発する「ハッカソン」を実施します。また、ハッカソンに先立って、ハンズオン形式でアプリ開発環境の事前レクチャーを行う「プレハッカソン」というイベントも1月14日に実施される予定です。

参照サイト

※ヘッダの画像は、イメージです。

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