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国土地理院、災害時の空撮や測量でドローンを活用する「ランドバード」を発足

2016年03月30日

近年、社会的にも注目を集めている無人航空機(ドローン)は、GNSSレシーバーや各種センサーによる自動制御システムを搭載したことにより、従来のラジコンヘリに比べて安定したホバリングやすばやい飛行を実現しています。これによって操縦が容易になり、また機体の価格も下がっていることから、社会のさまざまな場面においてドローンの活用を進める動きが高まっています。

国交省は、新年度から「i-Construction」を強力に推進

これに呼応するかのように、国土交通省も新年度から、ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)を全面的に活用し、規格を標準化したり、施工時期を平準化する施策を導入し、建設現場のプロセス全体を最適化する「i-Construction(アイ・コンストラクション)」という取り組みを推進します。

たとえば「測量」なら、ドローンが撮影した空撮写真を用いて、短時間で高密度な地形の3次元測量を実施したり、3Dデータ(現況地形)と設計図面を比較し、差分から切り土や盛り土量を自動算出するといった具合に、省力化を図り、生産性を高めるものです。同省では、2016年を「生産性革命元年」と位置付け、測量、設計・施工計画、施工、検査といった建設生産のプロセスにおいて、3次元データを一貫して使用できるよう新基準を整備していきます。

ドローン活用を推進する「国土地理院ランドバード」が発足

この「i-Construction」の一環として、国土地理院は3月16日、ドローンを活用した測量や災害時の空撮を推進するための体制「国土地理院ランドバード」を発足しました。同院内には「i-Construction推進本部」も設置され、同日、推進本部の第1回会合と「国土地理院ランドバード」の発足式が行われました。

国土地理院は、このプロジェクトを推進するため、建設や測量の現場においてドローンの利用が進むように、ドローン運用の作業マニュアルや安全基準をつくるほか、建設・測量業者がドローンを円滑に活用できるよう普及促進にも努める方針です。

デモフライトを行う国土地理院スタッフ

また、「国土地理院ランドバード」では、「i-Construction」に対応した測量に適切な指導や助言を行うため、ドローンに精通した技術者を育成します。さらに、2015年9月の関東・東北豪雨で国土地理院が鬼怒川水害地域をドローンで空撮したように、災害時には国土地理院の職員が現場で撮影や測量を行える体制づくりも目指します。

国土地理院スタッフによるデモフライト

機材チェックおよび風速・妨害電波の確認

離着陸はハンドリリース・ハンドキャッチで行う

16日の発足式では、国土地理院の職員によるデモフライトも行われました。デモフライトのスタッフの中には、昨秋の鬼怒川水害において空撮を行った職員も含まれていました。「国土地理院ランドバード」でフライトを行うには、現場責任者となる「安全飛行管理者」、そして「操縦者」と「補助者」がそれぞれ最低1人ずつ、計3人以上が1つのチームとなって行動します。

フライトの流れは、機材チェック、及び風速・妨害電波の確認を行った上でドローンを離陸させ、低空飛行でさらに異常がないかをチェックしてから、災害現場まで飛ばして空撮を行います。離着陸時は職員がドローンを手に持って高く上げた状態でハンドリリース・ハンドキャッチを行います。これは、災害現場ではドローンを安定して置けない可能性があるためです。また、災害現場が悪天候である可能性を考えて、スタッフは手動でも操縦を行えるようトレーニングされます。将来は全国で100名規模の体制を目標としています。

使用するドローンはDJI社の「S900」と小型の「Phantom」

なお、使用するドローンはDJI社の「S900」と小型の「Phantom」です。当初はPhantomを中心に配備を進める方針で、各地の地方測量部において練習場所なども確保する予定です。さらに、今後は運用マニュアルや訓練カリキュラムの策定などを行います。スケジュールとしては、今秋から各地の地方測量部で順次運用を開始して、2年後には全国展開することを目指しています。

DJIの「S900」

DJIの「S900」(左)と「Phantom」(右)

DJI社の「Phantom」

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