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国土地理院、巨大太陽フレアの影響を速報

2017年09月13日

9月11日、国土地理院は9月6日に発生した大型太陽フレアによる影響について、電子基準点で取得されたGPS観測データに基づいて評価を行い、速報しました。

この太陽フレアは通常の1000倍の規模とされ、そこで放出された物質が地球を直撃すると予想されました。これにより人工衛星の不具合や通信障害、測位誤差増大などさまざまな影響が危惧されました。そこで国土地理院では、茨城・つくば市にある電子基準点で取得された観測データのうち、米国のGPS衛星のみの観測データを使ったコード測位について測位誤差の評価を行い、速報として発表しました。

速報によれば、前日まで東西方向で±2m(南北、東西)、±5m(上下)程度だった測位誤差が、9月8日の日中(日本時間で10~15時頃)には最大で7m(南北)、3m(東西)、15m(上下)程度に増えたものの、それ以降は通常の状態に回復しました。

「一般のGPS測位方式による位置の変化」のグラフ

一般のGPS測位方式による位置の変化。電子基準点「つくば3」の30秒毎の測位結果の誤差(正しい値からのずれ)を示す。単位はm。つくばでは9月8日の10~15時頃(日本時間)に大きな測位誤差が見られた

測量や地殻変動の監視のためには、複数の観測点で得た長時間のデータを平均することで誤差を軽減する「スタティック測位」という手法が使われます。また、より高精度に測位を行う場合には、GNSSの異なる2つの周波数の電波を同時に利用することで電離層の影響を軽減する「2周波測位」という手法も使われます。このため電離層の乱れの影響は、一般のコード測位方式よりも小さいと考えられており、9月8日前後の全国の電子基準点での精密な測位結果もそれを裏付けるもので、「特段の影響は見られない」(国土地理院測地観測センター電子基準点課)と報告しています。

一方で、1周波のみを使用するRTK測位などでは影響が生じる可能性もあるとし、「太陽フレアの発生による電離層の乱れなどが予想される場合には、当該期間の実施を見合わせたり、より多くの点検測量を実施したりするなど、適切な対応が必要となります」と注意を促しています。

参照サイト

※ヘッダの画像は、国土地理院(茨城・つくば市)。本文図版提供:国土地理院