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国交省・経産省が自動走行ビジネスの「今後の取組方針」で報告書

2016年03月31日

国土交通省と経済産業省が共同で設置した自動走行ビジネス検討会が3月23日、「今後の取組方針」をとりまとめた報告書を発表しました。

昨年6月の「中間とりまとめ」で基本的な方向

同検討会は、日本の自動車産業の競争力の強化や、交通事故等の社会課題の解決に必要な取り組みを産学官で検討するため、昨年2月に設置されたものです。同年6月の「中間とりまとめ」では、以下の4つの基本的な方向性を確認しています。

1)競争領域と協調領域の切り分け
 (自動走行の実用化においては戦略的協調が不可欠との認識より)
2)自動走行の将来像の共有
 (取組の前提として将来像の共有が不可欠との認識より)
3)国際的なルールづくりに向けた体制の整備
 (基準・標準の戦略を検討する場がなく人材・予算のリソースも不足との認識より)
4)産学連携の推進
 (多種多様な大学の人材を、自動走行を契機に活用すべきとの認識より)

早ければ2018年に自動走行(レベル2)を実現

こうした方向性について、ワーキンググループなどでの議論を踏まえ、整理した形で今後の取組方針を示したのが、今回の発表内容となります。

報告書では、「早ければ2018年までに自動走行(レベル2=システムが操作しドライバーが監視)を実現する」と将来像を提示し、「協調が必要となる8分野(地図、通信、社会受容性、人間工学、機能安全等、セキュリティ、認識技術、判断技術)を設定し、既存事業も活用しつつ取り組みを進める」としています。自動走行(レベル4=完全自動運転)に関しては、「専用空間等で先行して検討」としています。

また、具体的な利用イメージとしてトラックの隊列走行(夜間長距離輸送などで3台以上の隊列)や、自動パーキング(2020年までに専用駐車場で実現)、ラストワンマイル自動走行(過疎地等における完全自動運転の移動サービス)などについても触れています。

[利用イメージ例] トラックの隊列走行(レベル2)

※「自動走行ビジネス検討会 今後の取組方針(検討結果)の概要について」より抜粋

(将来像)
夜間長距離輸送等において、後続車両無人の3台以上の隊列走行が実現。隊列は、隊列運行管理サービス事業者が、複数のトラックをマッチングして形成。
※後続車両は無人だが、ドライバーが運転する先頭車両に追従して走行するため、先頭車両の自動走行レベル(=レベル2)で整理。
(取組方針)
技術面(電子連結の安全性・信頼性確保等)や周囲の交通環境への影響など解決すべき重要課題が多いことから、関係省庁を含む関係者の協力を得ながら、まずは後続車両無人の2台の隊列走行の実現を目指すなど、実現に向けて着実なステップを踏む。
(工程表)
※主に物流事業者のニーズ及び車両側の技術から検討したもので、制度・インフラ側からは別途必要。

工程表
技術面の課題(協調のポイント)
基本制御 隊列走行システム全体(車両、管制センター含む) ○システム全体の仕様の具体化、システム開発、国際標準化(対応する体制の検討含む)
○乗用車の技術の応用(隊列走行特有の技術開発を減らすため)、量産体制の検討
○テストコース等での実証試験(安全性の検証)
○管制技術の向上
○電子連結に関する制度的取扱の検討(安全基準や道路交通法の適用の在り方等)
機能安全 ○ECU(アクチュエータ)のフェールセーフ化
○EBSブレーキのフェールセーフ化(二重化、保安ブレーキの開発)
○電子連結が途切れた場合の検知・対応方法の確立(重要装置故障時の自動停止方法の整理等)
セキュリティ ○セキュリティの要求事項の整理
○セキュリティ対策の確立(特に、なりすまし、DoS攻撃への対策)
縦方向制御
(車間距離制御)
通信 ○車車間通信のフェールセーフ化(無線通信二重化、光光車車間通信と無線通信併用による二重化)
○通信におけるデータ送信の周期の検討
ブレーキ制御 ○EBSブレーキ学習性能のばらつきを抑制する研究開発
横方向制御 先行車トラッキング制御 ○MEMSミラーによる高分解能電子スキャンレーザー(LIDAR)の開発
ドライバー支援 ドライバーの支援 ○先頭車両ドライバーによる後続車両監視技術/方法の確立
○割り込み防止方法の確立等
ドライバーモニタリング ○基本要件の検討
社会受容性  ○実証試験
○他の交通参加者の受容性(運転操作や心理面への影響等)の研究(テストコース、ドライビングシミュレータ等を活用)
○受容性を高める対策(隊列走行中であることの表示等)の確立
事業面の課題(協調のポイント)
運行形態 ○車両(単車、セミトレーラー等)の種類の選定
○隊列形成方法(走行開始時マッチング or 走行時マッチング)の選定
隊列運行管理サービス ○隊列運行管理サービスのビジネスモデルの確立(事業の担い手の具体化、事業性の確立、国際競争力強化等)
○隊列運行管理技術(運行効率化技術、管理効率化技術等)の向上
走行方法 ○ユースケース(合分流、車線変更、他の車両を割り込ませる必要性がある場面等)ごとの走行方法(車間距離、隊列間距離等)の確立
運転技能/教育 ○ドライバーに求められる運転技能の整理
○ドライバーの教育方法の確立
 

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