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気象庁が桜島の噴火警戒レベルを3(入山規制)に引き下げ

2015年09月01日

気象庁は9月1日、噴火警戒レベルを4(避難準備)に引き上げていた鹿児島県の桜島について、以前の火山活動に戻っていると判断し、噴火警戒レベル3(入山規制)に引き下げました。これに伴い、火口周辺警報の範囲も昭和火口及び南岳山頂火口から概ね3km以内から、概ね2km以内の範囲に縮小されました。

桜島では、8月15日時点で1日1,000回余りの火山性地震が多発し、山体が膨張していることを示す地殻変動が観測されたため、噴火警戒レベルが4(避難準備)に引き上げられていました。しかし、翌16日以降、南岳直下付近で多発していた火山性地震が急激に減少し、傾斜計や衛星による地殻変動の観測結果も、8月17日以降に地盤の隆起が見られていませんでした。

そのため、南岳の地下に貫入したマグマの浅部への上昇は停止し、深部からの新たなマグマの貫入も生じていないと判断されたものです。

国土地理院は、GNSS連続観測システム「GEONET」で情報を毎日提供

桜島周辺のGNSS連続観測基線図

桜島周辺のGNSS連続観測基線図(国土地理院ウェブサイトより)

国土地理院は、噴火警戒レベルが4に引き上げられた後の8月17日以降、これまで週1回更新していた「GNSS連続観測によって得られる桜島周辺の地殻変動の状況」を毎日更新に切り替え、情報を提供してきました。

この情報は、国土地理院のGNSS連続観測システム「GEONET」(GNSS Earth Observation Network System)によるもので、全国の約1,300地点に設置した電子基準点を観測点として、みちびきやGPS、GLONASSから受信した電波(観測データ)をリアルタイムで解析し、地殻変動を監視するシステムです。

桜島周辺の基線図(上図)では、「桜島」─「鹿児島2」、及び「鹿児島2」─「鹿児島3」で、8月15日の前後で山が膨張したことを示す基線の伸びが見られます。

JAXAも「だいち2号」の干渉SAR解析で最大16cmの変位を確認

PALSAR-2による干渉画像(前:今年1月4日夜、後:今年8月16日夜)の鳥瞰図(JAXAウェブサイトより)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、気象庁の要請を受けて8月16日夜と翌17日昼に陸域観測技術衛星2号「だいち2号」搭載のLバンド地表可視化レーダ「PALSAR-2」による緊急観測を実施し、国土地理院をはじめとする防災対応機関へデータを提供しました。

併せて、JAXAも独自に過去に観測したPALSAR-2データと合わせて干渉SAR解析を行い、地殻変動分布の抽出を試みました。その結果、桜島の南岳山頂火口の東側の広い範囲で、今年1月から8月の間に最大16cm程度の変位を確認しました。上図は、桜島付近を「だいち」による全球数値地表モデルに重ね鳥瞰図にして表示したものです。

※ヘッダ画像は、国土地理院の「観測された地殻変動から推定した変動源モデル(暫定版)」を組み合わせて作成。上・下段とも左から「干渉画像」「モデルからの計算値」「残差」(解析・国土地理院、原初データ所有・JAXA)