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「地理総合」の必修化と国土地理院の取り組み

2016年07月01日

ものの位置をすべて座標値で表現する地理情報システム(GIS; Geographic Information System)の考え方は、従来の測量や地図の世界を大きく変えました。2007年に制定された「地理空間情報活用推進基本法」では、衛星測位とGISとを連携させることが明記され、現在では、衛星測位は測量や地図に欠かせないものとなっています。

こうした中、文部科学省の中央教育審議会では、次期学習指導要領に関する議論が進められています。高校教育課程の社会で、世界史と日本史を統合した「歴史総合」、現代社会に代わる「公共」と共に、GISの学習などを目玉とする「地理総合」が、2022年度以降に必修化される見通しです。

地理院では昨年から「地理教育支援チーム」を組織

高等学校 地理教育の今後の在り方について(検討素案)

出典:「論点整理補足資料」(2015年、中央教育審議会教育課程企画特別部会)

先ごろ行われた国土地理院の第45回報告会での、地理地殻活動研究センター長の宇根寛氏の報告によれば、地理総合の必修化を見越して院内に2015年11月に「地理教育支援チーム」が組織され、支援のあり方について議論が続けられてきました。
検討の中で、中学社会科や高校地歴科の教員のうち、地理を専門とした者は2割程度にすぎず、必修化で生徒全員が地理を履修する場合、「地理を専門としない教員が地理を教える」という問題が指摘され、そうした教員への支援策なども必要であるとしています。

「地理リテラシー低下」を逆転する取り組みとして期待

地理教育の現状と課題

出典:「国土地理院の地理教育の支援に向けた取組」(地理地殻活動研究センター宇根 寛、2016年6月8日、国土地理院報告会資料)

実はここ20年ほどの間、地理は必修科目から外れていました。選択科目であるため履修者は約5割にとどまり、地理で受験できる学部学科が減り、入試に結びつかない地理への関心が低下するという悪循環で、社会全体の地理リテラシー低下を憂慮する声が高まっていたといいます。地理総合の必修化はこの流れを逆転させる取り組みとして、関係者の期待を集めています。

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※ヘッダ画像出典:国土地理院地図