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国土地理院、国会前庭に新たな電子基準点を設置

2018年03月28日

国土地理院は、国会前庭の憲政記念館付近にある「日本水準原点」の隣りに、新たな電子基準点「東京千代田」を設置し、みちびきを含めたGNSSなどの観測を始めました。

観測開始式で行われたテープカットの様子

観測開始式で行われたテープカット。左から国土交通大臣政務官の簗和生氏、G空間EXPO2017「Geoアクティビティコンテスト」で最優秀賞を受賞した愛媛県立伊予農業高校環境開発科の村井麻里亜さん、国土交通大臣の石井啓一氏、早稲田大学高等研究所助教の鈴木太郎氏、国土交通副大臣の牧野たかお氏。

標高の基準となる「日本水準原点」と同じ地盤に設置

この電子基準点は、日本の標高の基準となっている日本水準原点と同じ地盤に設置され、その変動を衛星測位でモニターできます。もし首都直下地震などで都心の標高が変わっても、衛星測位によって従来の水準測量よりも早く変動量を把握でき、その後の測量が円滑に進みます。

日本水準原点

同じ地盤にある日本水準原点

高さは7mで、日本水準点と同一の、約10mの深さにある支持層までパイルを打設しています。最上部にアンテナを、その下にはソーラーパネルを搭載しています。内部にみちびきやGPS、GLONASS、ガリレオに対応したGNSS受信機、ルーター、バッテリー、電源監視装置、通信装置、UPS、傾斜計、ヒーターなどを備えています。外装にはステンレス素材を採用し、熱で変形しないよう二重になっています。
また、正面下部には測量標であると示す銘板が掲示され、基礎には測量の基準点として利用できる金属標が設置されています。

アンテナ

アンテナ

ソーラーパネル

ソーラーパネル

GNSS受信機(左)、内部のさまざまな機器(右)

GNSS受信機(左)など、内部にさまざまな機器を収納(右)

測量標であることを示す銘板

測量標であることを示す銘板

金属標

金属標

都心で高精度な測量が可能に

都心で高精度な測量が可能に

全国に1300カ所ある電子基準点ですが、東京23区は足立、練馬、世田谷の3カ所で、都心にはありませんでした。今回、新たな電子基準点を千代田区永田町に設置することで、都心で電子基準点を用いる測量の観測時間を半減でき、測量が大幅に効率化されます。

また、インフラの海外展開の一つとして電子基準点への関心が高まっており、都心の電子基準点は、そのアクセスの良さから、来日した関係者に対するショーケース的な役割も期待できます。

他の電子基準点にはない重要な役割を持つ

村上国土地理院長

村上国土地理院長

3月26日に行われた観測開始式で、村上広史・国土地理院長は、この電子基準点が、「みちびきを始めとした測位衛星による観測で、日本水準原点の動きを常時モニターすると共に、明治以来の標高の仕組みと現代の衛星測位を直接結び付けるという、他の電子基準点にはない重要な役割を持つ」とその意義を紹介。
その上で、「電子基準点はみちびきの高精度測位に基礎データを与える基盤であり、この『東京千代田』は、東京の都心部に高精度測位時代をもたらします」と期待を語りました。

(取材/文:片岡義明・フリーランスライター)

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