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ユーブロックス社、多周波受信チップF9のセミナー開催

2018年04月12日

ユーブロックスジャパン株式会社は3月30日、多周波に対応したGNSS受信チップ「F9シリーズ」の発表に合わせたセミナーを、東京・江東区の東京海洋大学越中島キャンパスで開催しました。

ユーブロックスジャパンの仲・代表取締役

ユーブロックスジャパンの仲・代表取締役

ユーブロックスジャパンの井上氏

ユーブロックスジャパンの井上氏

冒頭、まず同社代表取締役の仲哲周氏が開会挨拶を行い、続いて大阪オフィスの井上雅永氏(ビジネスデベロップメントマネージャー)が同社の概要を紹介しました。

みちびき浸透には「低コスト受信チップの普及」が不可欠

次に内閣府宇宙開発戦略推進事務局の小暮聡参事官(準天頂衛星システム戦略室戦略室長代理)が「準天頂衛星システムの最新状況について/民間利用の拡大に向けて」と題したプレゼンテーションを行いました。

内閣府の小暮参事官

内閣府の小暮参事官

小暮参事官は、みちびきの概要と最新の整備状況などに触れた上で、「多くの受信チップ・受信機メーカーがみちびきに対応した製品を送り出していただくことで、皆さんにみちびきを“使い倒して”ほしい。何より低コストな受信チップ・モジュールの普及がサービス浸透の鍵を握る。ユーブロックスに限らず他のチップベンダーに対しても、機会を捉えてみちびき対応をお願いすると共に、可能なサポートをしていきたい」とコメントしました。

自動運転などの新技術で「日本はユニークなポジション」

スイスu-bloxのFairhurst氏

スイスu-bloxのFairhurst氏

スイスu-bloxのPeter Fairhurst氏は、多周波受信チップF9シリーズについて説明しました。

F9シリーズは「L1とL5」又は「L1とL2/L5」の周波数に対応し、単独でも電離圏遅延の補正を行うことができます。スイスのu-bloxで行った実験では、従来の1周波受信機(同社製M8Pチップ)との比較で、高精度測位の安定性や収束時間の大幅な短縮効果が得られたという結果なども示されました。

また、みちびきのL6信号(センチメータ級測位補強サービス)に対応したデコーダーチップ「D9」についても説明しました。センチメータ級測位補強サービスのうち、CLASと互換性のある補正信号を世界に供給する目的で、同社とBosch(ボッシュ)、Geo++(ゲオプラスプラス)、三菱電機株式会社が合弁で設立したSapcorda Services(サプコルダサービス)が、今年末までに静止軌道の通信衛星(Lバンド)とインターネットを通じ、米国とヨーロッパを対象に補強信号をテスト配信する計画を紹介しました。

会場からの質問に答えるFairhurst氏(右)

会場からの質問に答えるFairhurst氏(右)

そしてFairhurst氏は、「日本は自動運転などの新技術でユニークなポジションにいる。みちびきのL6信号など、GNSS技術と組み合わせることで新技術が急速に普及する可能性を秘めている。そうした社会の実現に、当社も安全で信頼性の高い高精度の受信チップの提供を通じ貢献していきたい」と語りました。

最後に、集まった業界関係者や研究者らとの間で活発な質疑応答を交わして、この日のセミナーは終了しました。

(取材/文:喜多充成・科学技術ライター)

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