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災害発生時に空撮で地図作成する「ドローンバード」プロジェクト

2016年01月16日

衛星測位の高精度化は、最近話題の「無人航空機(ドローン)」の進化にも大きく貢献すると期待されています。このドローンを活用した新たな災害対策のプロジェクトがスタートしました。災害発生時にドローンを飛ばして被災地を空撮し、被災状況を確認するためのデジタル地図を作成する市民プロジェクト「災害ドローン救援隊 DRONE BIRD(ドローンバード)」です。

市民参加型の地図データOSMを実践する古橋氏が主催

「ドローンバード」プロジェクトのロゴマーク

プロジェクトを主催しているのは、青山学院大学教授の古橋大地氏。古橋氏は、クライシスマッパーズ・ジャパン(NPO法人申請中)代表であるとともに、市民参加型の地図データ作成プロジェクト「OpenStreetMap(OSM:オープンストリートマップ)」の研究と実践を行っています。

OSMは誰もが自由に使える地図を市民の手でつくり上げる世界規模のプロジェクトで、これまでハイチ地震(2010年1月)や東日本大震災(2011年3月)、ネパール地震(2015年7月)などの大規模災害を始め、世界各地で発生した災害において、OSM地図作成者(マッパー)による被災地の地図づくりが行われてきました。

OSMの地図づくりには被災地の状況が分かる航空写真が必要で、世界中のマッパーは専用の地図エディターを使用し、これらの航空写真をトレースすることで地図を作成します。しかし、従来は航空機や衛星が撮影した写真を入手するのに時間がかかることが課題となっていました。これを解決するためのプロジェクトが「ドローンバード」です。

11月までに伊豆大島に第1号の基地を設置予定

災害時にドローンが出動して現地を空撮

本プロジェクトでは、事故リスクの少ない小型軽量のドローンを使用します。各地に設置された拠点から現場に急行して空撮した航空写真は、ウェブ上ですばやく共有され、それをもとにOSMマッパーが最新の状況を地図に反映します。被災地の最新状況が反映された地図はインターネット上で配信するだけでなく、オープンな地図なので印刷して紙地図として配布することもできます。

2010年ハイチ地震の際、古橋氏も参加して作成した地図

2010年ハイチ地震の際、古橋氏も参加して作成した地図 ©OpenStreetMap

まずは2020年までに「ドローンバード隊員」を100名育成すると共に、全国10カ所に拠点を設置することを目指しています。今回はその第一歩として、8月までにドローンバード総指令本部を相模原に設置して、11月までに伊豆大島に第1号となる基地を設置する予定です。

クラウドファンディングで資金援助を呼びかけ

このプロジェクトは、クラウドファンディングの「READYFOR」にて、目標金額の4,000万円を目指して資金援助を呼びかけています。受付期間は2月2日(火)23時までとなります。

クラウドファンディングの支援者には、スペシャルキュレーターの箭内道彦氏監修のロゴが入った隊員証が授与されるほか、支援金額に応じて、ドローンの操縦法を学べる講習や、航空写真をもとに地図を作成する方法を学べる講習が受けられるコースも用意されています。また、ドローンバード隊員には緊急時に情報が共有されるほか、講習を受けて一定の技能を取得した隊員には「出動要請」も行われる予定です。

参照サイト

関連情報

※ヘッダ・本文画像提供:クライシスマッパーズ・ジャパン、OpenStreetMap