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情報通信審議会が「実用準天頂衛星システムの技術的条件」を一部答申

2016年07月07日

6月30日、「実用準天頂衛星システムの技術的条件」について情報通信審議会から総務省に一部答申が行われました。この答申は情報通信審議会の情報通信技術分科会 衛星通信システム委員会(主査:安藤 真 東京工業大学理事・副学長 産学連携推進本部長)で昨年6月より検討が行われてきた「2GHz帯等を用いた移動衛星通信システム等の在り方及び技術的条件」の一部をなすものです。

衛星測位システムが使用する周波数帯(L帯)には他の無線システムが多く存在しています。また、新設される移動衛星通信システム(S帯)においても、隣接する無線システムとの間で適切なガードバンド(*)を設定する必要があります。そうした事情を踏まえて検討が進められてきたもので、今年4~5月にかけてはパブリックコメントによる意見募集も行われました。

(*)ガードバンド:意図的に通信を行わない周波数帯のこと。通信システム間の干渉を防ぐために設けられた"余白"に相当するもので、電波資源の効率的な利用の観点から適切な値に設定することが求められる。

L帯衛星測位システムにおける共用検討の結果

・L1:(中心周波数)1575.42MHz (占有周波数帯幅)30.7MHz
・L2:(中心周波数)1227.60MHz (占有周波数帯幅)30.7MHz
・L5:(中心周波数)1176.45MHz (占有周波数帯幅)24.0MHz
・L6:(中心周波数)1278.75MHz (占有周波数帯幅)42.0MHz

L帯を用いた衛星測位システムの周波数

・放送事業用無線局(FPU):1240-1300MHz(共用可能)
・アマチュア無線:1260-1300MHz(概ね共用可能)
・特定ラジオマイク:1240-1252MHz/1253-1260MHz(共用可能)
・画像伝送用携帯局:1281.50MHz(共用可能)
・MTSAT(衛星航法補強システム等):1575.42MHz(共用可能)
・航空用DME:108-118MHz/960-1215MHz(共用可能)
・構内無線局・特定小電力:1216-1217MHzのうち、定められた一部の周波数(共用可能)

S帯移動衛星通信システムにおける共用検討の結果

2GHz帯を用いたS帯移動衛星通信システムにおける隣接システム

<隣接システム>
・地上携帯電話:1920-1980MHz/2110-2170MHz
 (音声通話、データ通信。基地局、移動局、中継局等で構成)
・TDD:2010-2015MHz
 (時分割複信方式を利用した移動通信システム、2015年10月現在で運用実績なし)
・宇宙運用:2200-2290MHz
 (JAXA宇宙機等のコマンド、テレメトリ、測距ダウンリンク等)

共用検討(ガードバンド検討)ケース

・上り↑:1980-2010MHz(ガードバンドなし~5MHzで許容可能)
・下り↓:2170-2200MHz(ガードバンドなし~20MHzで許容可能)

L帯は「共用可能」又は「概ね共用可能」と答申

一部答申では、L帯衛星測位システムについては「共用可能」又は「概ね共用可能」としています。また、S帯移動衛星通信システム(みちびきのうち静止軌道に配置される衛星を利用した安否確認サービス等を想定)については、「サービスリンク用周波数帯として、2000-2005MHz(上り)/2190-2195MHz(下り)の周波数を使用することが適当である」としています。

総務省は、この一部答申を踏まえ、実用準天頂衛星システムの技術基準等の策定を進めます。

参照サイト

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※本文の図版は、総務省 総合通信基盤局の報道資料を一部加工したものです。