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プレイバック2015(4)防災

2015年12月30日

今年も多くのニュースが世の中をにぎわせました。人々の関心を集めたニュースの中には、衛星測位やみちびきと関わりの深い言葉も少なからずありました。
当ウェブサイトでお届けした関連のトピックスを、世の中の関心を集めたいくつかのキーワードでまとめ、1日1テーマずつ、改めて紹介する企画です。4回目の今日は、「防災」を取り上げます。

被害の拡大を防ぐため、衛星測位が大きな貢献

災害対策基本法では「防災」という言葉を「災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、及び災害の復旧を図ることをいう」(第二条二号)と定義しています。たとえば火山の山体の動きを継続的に観測し、噴火などの兆候をいち早く知ることは「被害拡大を防ぐ」上で欠かせないミッションであり、衛星測位はここで大きな貢献をしています。

JAXA(ウェブサイト画像)

気象庁は9月1日、鹿児島県の桜島が以前の火山活動に戻っていると判断し、噴火警戒レベルを4(避難準備)から3(入山規制)に引き下げ。(関連ニュース、9月1日掲載)

気象庁(ウェブサイト画像)

国土地理院が、新岳が爆発的に噴火した口永良部島に、火山活動推移の監視を目的とするGNSS火山変動リモート観測装置「REGMOS」を設置。(関連ニュース、6月17日掲載)

国土地理院(ウェブサイト画像)

国土地理院が、火山活動が活発になった箱根山の大涌谷に可搬型GNSS火山変動リモート観測装置を設置し、地殻変動状況をウェブ上で情報提供。(関連ニュース、5月15日掲載)

 

海底の動きを精密に捉える観測手法を研究

巨大地震・津波への備えとして、海底の動きを精密に捉える観測手法の研究が熱心に行われています。衛星測位と観測船による音響測位をカップリングする手法が、南海トラフや東北沖で成果を上げつつあります。

東北大学(ウェブサイト画像)

東北大学とJAMSTECの研究グループが、2011年の東北地方太平洋沖地震以降の日本海溝に沈み込む直前の「太平洋プレート速度」の実測に成功。(関連ニュース、11月21日掲載)

地震予知連絡会(ウェブサイト画像)

海上保安庁が、南海トラフ巨大地震の想定震源域の海底で、初めて詳細な動きを捉えたと発表。海底が北西方向に最大で年約5.8cm移動。(関連ニュース、9月4日掲載)

 

みちびきの災危通報へ高まる期待

位置情報を生かした適切な情報提供は、速やかな避難誘導や効率よい救助活動に役立ちます。みちびきの重要な機能である災害・危機管理通報サービス「災危通報」への期待も高まっています。

地震調査研究推進本部(ウェブサイト画像)

人吉市は8月30日、震度6弱の地震が発生した想定で総合防災訓練を実施。みちびきの衛星安否確認サービスを活用した情報収集なども。(イベント情報、10月3日掲載)

陸上自衛隊 第15旅団(ウェブサイト画像)

富士通が開発した、災害現場の写真やメッセージをGPS位置情報と共に地図上に表示する「災害救助活動支援サービス」システムを、陸上自衛隊が導入。(位置情報の活用事例、9月10日掲載)

熊本県(ウェブサイト画像)

熊本県で7月末から、阿蘇山で遭難した登山者が、スマホのGPS機能を活用して県警に位置情報を通報する救助システムの運用を開始。(関連ニュース、8月28日掲載)

防災の定義にある「被害拡大を防ぐ」部分だけでなく、「未然の防止」や「復旧を図る」部分でも、衛星測位の貢献できる分野はあるはずです。今後も多くのエネルギーが注がれる防災分野での、衛星測位の活用事例や研究活動を紹介していきます。

※画像は、国土地理院、気象庁、東北大学、地震予知連絡会、地震調査研究推進本部、陸上自衛隊 第15旅団、熊本県のウェブサイトより

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