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国土地理院がマルチGNSS測量マニュアル案を制定

2015年06月12日

国土地理院はこのほど、マルチGNSSの信号を単独もしくは複数組み合わせて用いる「マルチGNSS測量」の標準的な作業方法を定め、必要な精度を確保するための「マルチGNSS測量マニュアル(案)」を制定しました。

2011~14年度に国土地理院が研究主体となって進めてきたプロジェクト「高度な国土管理のための複数の衛星測位システム(マルチGNSS)による高精度測位技術の開発」の成果を踏まえて策定されたものです。測量作業においてこれを適用することで、公共測量の作業規程の準則では規定されていない、Galileoを含む観測や、L5帯を利用した3周波解析などの作業が可能となります。

各国の測位衛星と送信信号の図

各国の測位衛星と送信信号(国土地理院ウェブサイトより)

近年、米国のGPSだけでなく、日本のみちびき、ロシアのGLONASS、欧州連合(EU、European Union)のGalileoといった各国の衛星測位システム(GNSS、Global Navigation Satellite System)の利用が可能となり、複数の種類の測位衛星や新たな周波数帯の信号が利用できる「マルチGNSS」の環境が整いつつあります。

測量分野でも、こうしたマルチGNSSの信号を活用することで、GPSだけでは難しかったビル街や山間部など上空の視界に制約がある場所における測量も可能となります。また、近代化GPSやみちびきが提供する新たな周波数帯、L5信号を利用して3周波測位を行うことで、従来と同じ精度の測量をより短い観測時間で達成することが期待されています。

※ヘッダの画像はイメージです。

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