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柳川市が佐賀県に、衛星測位を使った航法の早期実現求める要望書

2016年07月10日
佐賀空港と柳川市の位置関係を示す地図

18年前の1998年に開港した佐賀空港(愛称:九州佐賀国際空港)の年間乗降客数は、国内線54万人、国際線9万人の計63万人(2015年度)。ここを発着する航空機の約8割は、福岡県の柳川市上空を通るルートをとることから、柳川市民にとって航空機の騒音や夜間の照明は、悩ましい問題となっていました。

この解決策として近年、佐賀空港への導入が検討されているのが、GPSなどの衛星測位を使って自機位置を推定し自由度の高い航路を決定する「RNAV(アールナブ、Area Navigation:広域航法)」と言われる航法です。これを採用することで、有明海上空で旋回し滑走路にアプローチするルートが可能となります。

7月4日には、柳川市の金子健次市長が佐賀県庁を訪れ、池田英雄副知事にRNAVの早期実現を求める要望書を手渡しました。

佐賀県の池田副知事に要望書を手渡す柳川市の金子市長

佐賀県の池田副知事(左)に要望書を手渡す柳川市の金子市長(右)(画像提供:柳川市)

地上施設に左右されない柔軟な経路設定が可能

航空路は、基本的に各地の地上施設を相互に結んだ経路に設定され、そこから得られる方位や距離などの情報を頼りに、航空路の真上を定められた高度で飛行します。

これに対してRNAVでは、航空機が搭載する高機能なFMS(Flight Management System、航法用機上コンピューター)を使って、測位衛星などの情報から自機の位置を算出し、任意の経路を飛行します。地上施設(VOR/DME等の航空保安無線施設)の配置に左右されない、柔軟な経路設定が可能な運航方式です。

RNAVの効果

RNAVの効果(画像出典:国土交通省ウェブサイト「航空路とRNAV経路の概要」より)

佐賀空港へのRNAV導入については、すでに一昨年に検討が始まり、今年に入り航空機による飛行検査も実施されています。一刻も速い実現を求める市民の声が今回の要望書につながったといいます。

※ヘッダの画像はイメージです。

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