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気象庁、新たに「噴火警報」も緊急速報メールで通知

2015年11月19日

気象庁は今日、11月19日午前11時より、従来の緊急地震速報や津波警報に加え、気象及び噴火に関する特別警報についても、緊急速報メールとしてNTTドコモ、au(KDDI・沖縄セルラー)、ソフトバンクの携帯電話ユーザーに通知することになりました。

気象・噴火の特別警報を、今日から緊急速報メールに追加

緊急速報メールの配信(仕組みのイメージ図)

「緊急速報メール」配信のしくみ(気象庁ウェブサイトより)

なお、緊急速報メールは、ソフトバンク・auでは「緊急速報メール」、NTTドコモでは「エリアメール」と呼ばれているサービスで、ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)という3G携帯標準規格に対応した端末であれば、MVNO(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者=いわゆる格安SIM事業者)との契約回線でも問題なく受信できます。

また、メールで送信される「特別警報」とは何かについては、下の図をご参照ください。

「特別警報」のイメージ図

大雨・噴火・津波の特別警報のイメージ(気象庁ウェブサイトより)

参照サイト

関連情報

御嶽山噴火を受け、常時観測対象を47火山から拡大へ

今回、緊急速報メールに「火山噴火」が加えられた背景には、火山観測網の充実があります。

活火山とは、2003年の火山噴火予知連絡会での定義によれば「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」のことで、現在日本では110の火山が活火山として指定されています。そのうち47火山については、2009年から常時観測の対象となってきました。

昨年(2014年)9月に多くの死者・行方不明者を出した御嶽山噴火を受け、常時観測の対象を47火山から拡大する動きが広がっています。今月11日には、青森県十和田市でGNSS観測点が新たに設置されました。全国110火山のうち、八甲田山(青森県)と十和田(青森・秋田県)を対象とした常時観測体制の整備の一環です。

この観測点は、日本の約1,300カ所でGNSSの連続観測を行っている国土地理院の「電子基準点」と類似の設備で二周波観測(=異なる周波数で測位を行って遅延量を推定し測位精度を高める技術)を行います。仙台管区気象台では、既設の臨時観測点を含め山体を取り囲むように配置した3カ所の観測点と、別の場所に設置された総合観測点(=地下100mのボーリング孔内に設置した地震計や傾斜計)の観測データを合わせることで、よりきめ細かな火山観測が可能になるとしています。

47火山をマッピングした日本地図

「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定された47火山(気象庁ウェブサイトより)

参照サイト

電子基準点を補間する「REGMOS」を15機設置

REGMOS-Hの画像

北海道駒ヶ岳に設置されたREGMOS-H(国土地理院ウェブサイトより)

一方、国土地理院でも、よりきめ細かな火山観測のための努力を続けています。全国各地の活動的な火山に、電力や通信手段のない地域でも観測データの取得が可能な「REGMOS(Remote GNSS Monitoring System、レグモス:GNSS火山変動リモート観測装置)」と名付けられた観測装置を展開しているのです。

REGMOSは、太陽電池パネル・衛星携帯電話などを組み合わせた自律的な装置で、これを用いることで既存の電子基準点を補間し、より詳細に地殻変動を捉えることができます。現在は「有珠山」「浅間山」「箱根山」「口永良部島」などに15機(2015年11月現在)が設置され、近傍の電子基準点のデータと共に、観測データが公開されています。

参照サイト

※ヘッダは八甲田山(青森県)のイメージ画像です。

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