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宇宙ビジネス共創委員会の第2回シンポジウムを開催

2021年07月21日

日本航空宇宙学会(JSASS)が設立した「宇宙ビジネス共創委員会」の第2回シンポジウムが7月7日、東京・日本橋の宇宙ビジネス拠点「X-NIHONBASHI TOWER」及びオンラインライブ配信にて行われました。
宇宙ビジネス共創委員会は、宇宙開発に関わるさまざまな人々が連携して価値の高い宇宙ビジネスを創出する目的で昨年8月に設立されました。従来の宇宙関連企業だけでなく、“ニュースペース”と呼ばれる宇宙関連のベンチャー企業や民間宇宙団体との連携・協力や学会参加への支援等を行い、技術や標準などの動向把握や人材発掘・育成、コミュニティ形成・運営など、宇宙分野の活性化に寄与することを目指して活動しています。

当日の会場風景

当日の会場風景

「エンジニアが拓く宇宙ビジネスの未来」を議論

今回は「エンジニアが拓く宇宙ビジネスの未来」と題して、日本航空宇宙学会の学会員のほか、宇宙関連ビジネスを手がけるベンチャー企業の代表者や政府関係者、研究者、学生など産・官・学の関係者が集い、宇宙ビジネスにおけるエンジニアの持つ役割や、エンジニアが拓く宇宙ビジネスの今後の可能性と課題について議論しました。

河野会長

日本航空宇宙学会の河野会長

冒頭、日本航空宇宙学会の会長であり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の主幹研究開発員を務める河野功氏が開会の挨拶を行いました。河野氏は、1998年に世界初のGPS利用のランデブー・ドッキングを果たしたETS-VII(きく7号)を紹介した上で、「宇宙ビジネスを成功させる要因は世界初のアイデアと世界一の技術にあり、ビジネスの成功に何が必要かを共に考えていきたいと思います」と語りました。

神武委員長

宇宙ビジネス共創委員会の神武委員長

宇宙ビジネス共創委員会の委員長を務める慶應義塾大学の神武直彦氏(大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授)は、「宇宙産業はロケットや測位衛星、通信・放送衛星などさまざまな広がりを見せ、近年は数多くの宇宙ベンチャーが生まれ育っています。この委員会では、セミナーやシンポジウムなどで多くの人と出会い、アイデアを生み出し、最終的には新しいビジネスを生み出すという流れを作りたいと考えており、ぜひ多くの方と知り合って議論していただければと思います」と語りました。
続いて一般社団法人SPACETIDEの理事・COOを務める佐藤将史氏がチュートリアルセミナー「宇宙ビジネス・エコシステム入門」、株式会社sorano meの代表取締役社長の城戸彩乃氏が「宇宙ビジネスの最新動向」と題して講演を行いました。

佐藤氏と城戸氏

SPACETIDEの佐藤氏(左)、sorano meの城戸氏(右)

宇宙ビジネスをテーマにパネルディスカッション

パネルディスカッションの登壇者

慶應大の神武教授のほか、インターステラテクノロジズ株式会社 代表取締役の稲川貴大氏、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社 代表取締役社長の見學信一郎氏、株式会社アクセルスペース 取締役最高技術責任者(CTO)の宮下直己氏が参加したパネルディスカッションでは、SPACETIDEの佐藤氏をファシリテーターとして、宇宙ビジネスの立ち上げや、宇宙関連のベンチャー企業に必要なサポートなど、宇宙ビジネスをテーマとした議論が行われました。

稲川氏、宮下氏、見學氏

左から稲川氏、宮下氏、見學氏

神武教授はパネルディスカッションの中で、日本航空宇宙学会への提言として、「学会の役割としてはニュースペースとレガシースペースを上手くハーモナイズ(共創)させるのが大事であり、たとえば準天頂衛星を始めとする日本の人工衛星は“使い放題”にも関わらず、まだそのチャンスを十分に使い切れていないので、(実証事業などの)キャンペーンをベンチャー企業と一緒に行うといった形で支援していくのが良いと思います」と語りました。宇宙ビジネス共創委員会は、今後もおよそ半年ごとにシンポジウムを開催していく予定で、次回は12月を予定しています。

(取材/文:片岡義明・フリーランスライター)

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