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国連総会で「位置の基準を世界各国で連携して維持する」ことを決議

2015年04月08日

国土地理院は、2015年2月26日に行われた国連総会で、人々の生活や経済活動において正確な緯度・経度を測ることの重要性を認め、地球上の位置の基準を世界各国で連携して維持することを決議したと発表しました。国連総会で測量分野の決議が行われたのは初めてのことです。

国土地理院の発表によると、決議の背景には、GPSやみちびきなどの測位衛星が増加したことにより、地球上の位置を正確に測れるエリアが急速に拡大したことがあります。受信機を搭載して簡単に位置を測れるスマートフォンは2011年からの5年間に世界全体でそれまでの約3倍の13億台になると推計されており、それ以外にもさまざまな位置を簡単に測れるサービスが次々と提供されています。そうした中で世界の約3割の国(アジア地域では約5割)においては、現在でも地球上の位置基準がずれており、GPSなどで計測した位置と地図上の位置が一致しません。

アジア地域の正確な位置の基準の採用状況

アジア地域の正確な位置の基準の採用状況(水色:採用、赤:未採用、白:不明)(国土地理院)

世界のスマートフォンの販売台数の推計

世界のスマートフォンの販売台数の推計(平成24年度情報通信白書による)

今回の国連決議では、国際協力を強化するための行動を行う必要性があることを認め、世界各国が連携して、正しい位置の基準である「地球規模の測位基準座標系(GGRF:Global Geodetic Reference Frame)」を開発・維持する協力を強化することとなりました。
日本では、国土地理院が日本全国で衛星測位による連続観測を行うなど、正確な位置基準のための測定を続けてきています。この決議により、特に途上国で位置の基準の整備や正確な位置の計測の必要性が認識され、日本がこれまで培った最先端の技術を活かして一層の海外展開が進むことが期待されています。

※ヘッダの画像はイメージです。

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