コンテンツです

三菱電機、L6など4周波数帯に対応した世界最小のGNSS用アンテナを開発

2022年01月24日

三菱電機株式会社は、L1帯、L2帯、L5帯、L6帯の4周波数帯に対応した小型のGNSS用アンテナを開発しました。4周波数帯対応の高精度衛星測位端末用アンテナとしては世界最小となります。

アンテナ試作機

アンテナ試作機

このアンテナは、水平面に4つの樹脂成形品を垂直に配置し、その側面と天面に2つの折り曲げ線状のアンテナ素子を樹脂成形品間で対称となるように配線しました。アンテナ素子配線を立体化するこの独自技術により、サイズが100mmを超える高精度衛星測位端末用アンテナが多い中で、水平面のサイズが59×59mm、高さが33mmと大幅な小型化を実現しました。

アンテナ小型化技術

アンテナ小型化技術

限られた占有空間の中でアンテナ形状を最適化することで、L1帯の周波数帯域は同社従来製品と比べて約3倍に拡大し、これまで未対応だったGLONASSやインマルサット衛星にも対応しました。

各種測位信号の周波数

各種測位信号の周波数(L1帯:1560~1591MHz、L2帯:1213~1244MHz、L5帯:1164~1189MHz、L6帯:1257~1299MHz)

さらに、直線状とループ状のアンテナ素子を組み合わせることでアンテナ背面方向へのバックローブ放射を低減し、アンテナを大型化させることなくマルチパス(乱反射)の抑制も実現しています。

バックローブ放射を低減するアンテナ素子

バックローブ放射を低減するアンテナ素子

4周波数帯に対応することで、みちびきのCLAS(センチメータ級測位補強サービス)を含めた世界の主要な衛星測位システムと測位補強サービスに対応すると共に、小型化によってドローンや小型トラクターなどのさまざまな移動体への搭載が可能となります。未だ開発段階ですが、同社は今後、屋外での実証実験により測位精度評価を実施し、実用化を検討していく方針です。

参照サイト

※画像提供:三菱電機株式会社

関連記事