コンテンツです

パナソニックが今冬、タブレットPCで除雪支援する実証実験

2015年09月22日

記録的な猛暑も一段落し、秋冬への備えを考えなければならない季節がやってきました。パナソニック株式会社は8月28日、同社のタブレットPCを使った除排雪支援システムの実証実験を、12月から北海道岩見沢市で行うと発表しました。

オペレーター不足と高齢化の問題は深刻

そもそも除雪作業を担うオペレーターには、高い技能と経験が必要です。積雪により、ふだんなら露出している路肩や縁石などが覆われてしまうからです。時には吹雪も重なる悪条件下で、側溝や塀や消火栓など細かな障害物を回避する技術と技能がなければ、安全に作業を遂行できません。一方で、他の多くの担い手と同じく、オペレーター不足と高齢化の問題は深刻です。最新の技術を使った除雪作業や排雪(雪捨て)作業の支援システムが必要とされるゆえんです。

実証実験のシステム概要図

実証実験のシステム概要図

パナソニックが今回開発したシステムでは、国土交通省が整備した全国1,300カ所の電子基準点の情報をもとに、現場での測位の拠り所となる「仮想基準点」を設定し、その情報をワイヤレスWAN/携帯電話ネットワークを使って送信します。

仮想基準点の情報を頑丈タブレットで受信

受信するのは、各国の警察や消防などヘビーデューティー分野でも採用実績のあるパナソニックのタブレット型PC「TOUGHPAD(タフパッド)」の「FZ-M1」(7型液晶)と「FZ-G1」(10.1型液晶)。耐衝撃・耐振動性に優れ、高い防水・防塵性を誇るという、除排雪業や農業に好適な端末です。

実証実験には頑丈タブレットPC「タフパッド」を使う

ネットワーク経由と測位衛星の情報を演算処理

ネットワーク経由の情報と、GPS、GLONASSなどの測位衛星から受信した情報を独自のアルゴリズムで演算処理し、10センチオーダーの高精度測位を実現。この測位結果をもとに3次元道路地図を画面表示し、障害物も含めて可視化することで、熟練者でなくとも安全なオペレーションが可能になるというシステムです。

こうした演算には高いマシンパワーが必要となりますが、スマートフォンに比べより大容量のバッテリーや高性能な演算チップが搭載できる、タブレットPCの優位性を上手く活用したシステムと言えるでしょう。

また雪のない時期には、このシステムを農機に付け換え、精密農業に役立てるという使い方もパナソニックでは提案しています。高い演算能力と大きな画面を使いたい場所で使うことができる、タブレットPCならではの使い勝手と言えるのではないでしょうか。

※ヘッダの画像はイメージです。本文中の図版・画像提供:パナソニック株式会社

関連記事