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港区立青山中学校が災危通報対応のデジタルサイネージを試験導入

2024年12月16日

株式会社ジェイアール東日本企画が提供する、みちびきの災危通報(災害・危機管理通報サービス)に対応したデジタルサイネージの配信管理システム「Signadia(シグナディア)」が、2024年11月から東京都の港区立青山中学校に試験導入されました。導入直後の11月3日には、同校で行われた港区総合防災訓練(赤坂会場)においてジェイアール東日本企画が展示ブースを設置し、みちびき災危通報の試験配信をSignadiaで受信するデモンストレーションを実施しました。当日の模様を紹介します。

青山中学校

港区立青山中学校で行われた防災訓練

災害時の避難場所である学校で活用する

設置状況

試験導入後の設置状況(左)、平常時(中)と災危通報受診時(右)の画面イメージ (画像提供:株式会社ジェイアール東日本企画)

Signadiaは、みちびきが配信する災危通報のデータを直接受信して、その情報を災害時の第一報としてディスプレイに静止画やテロップで表示できるデジタルサイネージの配信管理システムです。災危通報対応のGNSS受信機を内蔵するSTB(セットトップボックス)をディスプレイに接続することで、地上の通信インフラが途絶した場合でもみちびきのL1S信号を受信し、インターネットや携帯電話回線などを介さずに地震や津波などの災害情報を表示できます。

Signadia

Signadiaの端末(左)、ディスプレイ(左)、校舎外壁のL1S対応アンテナ(右)

ディスプレイは同校の屋内正面玄関に設置され、校内を行き交う生徒や教師が自由に画面を見ることができます。端末であるSignadiaに接続されたL1S対応のGNSSアンテナは、正面玄関を出た校舎外壁の上部に設置されています。平常時、ディスプレイには同校の校舎案内図や教育目標、生徒への案内などが交互に表示されますが、災害時には画面が切り替わり、災危通報のデータを受信すると災害の発生時刻や詳細情報、そして地図上に発生箇所も表示されます。

防災訓練で災危通報の受信デモを実施

配信デモの様子-1

正面玄関前のブースで配信デモを実施

防災訓練の当日、ジェイアール東日本企画が設置したブースで、みちびき災危通報の試験用データを受信・表示するデモンストレーションが行われました。みちびきの試験データを受信すると、平常時の校内案内の画面から切り替わり、「緊急地震速報」と「津波警報」、「気象情報(記録的短時間大雨情報)」の順番でみちびきが配信する災危通報の情報が表示されました。
デモを見た来場者からは、「災害時にインターネット回線を使わずに衛星から直に災害情報が受信できるのは防災対策としてすごい」といった声が上がり、ネットワークが利用不可の場合でも災害情報が受信できることに多くの方が驚いていました。

配信デモの様子-2

ディスプレイに表示された試験データ(左)、視察に訪れた港区の清家あい区長(右)

近隣から千人近い住民や生徒が参加

総合防災訓練-1

多くの来場者で賑わう総合防災訓練

総合防災訓練では、起震車で地震の揺れを体験したり、転倒家具の下敷き救出や搬送訓練、マンションの隔壁(バルコニーの仕切り板)を破壊する体験、煙ハウスでの火災避難の体験、VRを使用した避難体験、ドローンの操縦体験など全部で31のブースが設けられました。当日は地元・赤坂消防団による放水演技も実施され、近隣から千人近い住民や生徒が参加しました。

総合防災訓練-2

ブースでの体験参加や放水演技の様子

今回の試験導入は、港区と港区立青山中学校の協力のもと、地域や学校がより安全で、必要な情報が迅速に伝わる環境を目指して行われたものです。非常時に災害情報や安全案内を表示するだけでなく、平常時においても掲示板として学校や地域の案内やお知らせなどを提供することで、情報提供の利便性を検証すると共に、災害時に避難場所となる学校での案内ツールとしての検証も行います。
ジェイアール東日本企画は今後、同校への試験導入を通じて得られた意見をもとに更なる改善を図り、他の学校や地域への展開も視野に入れて、Signadiaの特徴を活かした防災サイネージの構築に取り組んでいく予定です。

(取材/文:片岡義明・フリーランスライター)

参照サイト

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