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DMP、自動走行システムに向け高精度三次元地図の整備着手

2017年06月23日

自動走行システムに向けた「ダイナミックマップ」の高精度三次元地図の整備や実証、運営に向けた検討を行うダイナミック基盤企画株式会社は6月13日、事業継続における体制強化のために株式会社産業革新機構、三菱電機株式会社、株式会社ゼンリン、株式会社パスコ、アイサンテクノロジー株式会社、インクリメント・ピー株式会社、株式会社トヨタマップマスターの7社の引き受けによる第三者割当増資を実施し、事業会社化に伴って社名を「ダイナミックマップ基盤株式会社(DMP:Dynamic Map Platform)」に変更して新たにスタートすることを都内で発表しました。

新社名と新しいロゴマーク

新社名と新しいロゴマーク。中央で社名を掲げるのがDMPの中島務社長

2018年度までに高精度三次元地図のデータを整備

ダイナミック基盤企画株式会社は、ダイナミックマップの静的情報となる高精度三次元地図の整備や実証、運営に向けた検討を行う会社として、電機・地図・測量会社および自動車会社の共同出資により昨年(2016年)6月に設立されました。そして、これまでは実運用に向けたデータ仕様やシステム構想、メンテナンス仕様などの立案や関係機関先との調整や実証を行うと共に、永続的な維持整備を行うことを前提とした場合の事業性に関する企画検討も進めてきました。

高精度三次元地図のサンプルデータ

高精度三次元地図のサンプルデータ(提供:ダイナミックマップ基盤株式会社)

当初は企画会社としての準備期間を2年間としていましたが、市場ニーズに早急に対応するため、事業化判断を前倒しすることにしたといいます。今後、事業会社として、2018年度までの完了に向けて、国内高速道路や自動車専用道全線(上下線約3万km)の高精度三次元地図のデータ整備に着手します。また、基盤データの効率的な維持・メンテナンスの実現に向けて、道路管理者や民間物流会社との連携を強化するほか、海外地図メーカーや自動車メーカー、サプライヤーとの地図標準化に向けて協議も開始します。

三次元位置情報による共通基盤の実現に貢献

ダイナミックマップ基盤株式会社の事業領域および株主について

ダイナミックマップ基盤株式会社の事業領域および株主について(提供:ダイナミックマップ基盤株式会社)

DMPの中島社長

DMPの中島社長

発表会で挨拶したDMPの中島 務氏(代表取締役社長)は、「これまでダイナミックマップ基盤企画株式会社では、三次元高精度地図の協調領域である衛星測位・計測・図化・統合の4つの工程を通じて、測位された位置情報をより価値のある三次元高精度地図として生成するための仕様検討を行い、各社の知見を集約して実用化に向けて進めてきました」と経緯を説明。
今後の中長期ビジョンとして、「一般道における自動走行システム向け仕様検討も開始するほか、高精度三次元地図データの自動走行分野以外の利活用も推進し、三次元位置情報による共通基盤の実現に貢献します」と語りました。

同社は今後、「Remodeling of the Earth」をスローガンに、幅広い分野への高精度三次元地図データの提供を推進していくとしています。

(取材/文:片岡義明・フリーランスライター)

※ヘッダの画像は、イメージです。

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