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GPS端末とドローンで、山間部の傷病者を早期発見する実証実験

2017年02月26日

山岳地帯において遭難者や傷病者の捜索にドローン(無人航空機)を活用することが模索されています。衛星測位技術は、ドローンの安定飛行に役立っていますが、それに加えて最近では登山者の位置特定のため、緊急時にGPSで取得した位置情報を自動通報する端末も登場しました。

一般社団法人救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会(EDAC=Emergency medical and Disaster coping Automated drones support system utilization promotion Council)は1月23日に九州大学伊都キャンパス(福岡県福岡市)で、通報による救急用ドローンを活用した迅速な現場特定を目的とした実証実験を実施し、傷病者に接触するまでの時間短縮に成功したと発表しました。この実証実験は、総務省のIoTサービス創出支援事業の委託先として採択された「救急医療・災害対応におけるIoT利活用モデル実証事業」によるものです。

GPSで取得した位置情報を自動通報

発見された傷病者(実験時)

発見された傷病者(実験時)

捜索隊の様子(実験時)

捜索隊の様子(実験時)

実証実験では、肌着タイプのウェアラブル端末を身に着けた登山者が、山間部で心臓の異変を起こした状態を想定しました。GPSを搭載した端末の自動通報システムから取得した位置情報に基づき、現場付近までドローンが飛行し、該当エリア一帯の映像を模擬消防本部および捜索隊側に送信しました。

ドローンの空からの映像

ドローンの空からの映像

救命ドローン

救命ドローン

上空から撮影した映像をスタッフ間で共有し、傷病者の位置や、傷病者と捜索隊との距離、傷病者までのルートを指示することで、傷病者の早期発見に役立てることができました。

ドローンパイロット

ドローンパイロット

映像伝送システム

映像伝送システム

この実験に先立ち昨年12月に行った実証実験では、ドローンを用いた捜索は、ドローンを使わなかった場合に比べて、大幅な時間短縮に成功しています。位置情報を自動送信するGPS搭載端末や、ドローン、スマートグラスなど、さまざまな先進機器の組み合わせによって今後、山岳遭難者や傷病者の救助体制がどのように強化されていくのか注目されます。

参照サイト

※ヘッダおよび本文画像提供:一般社団法人救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会

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