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米国ベンチャーによる、はぐれた仲間と合流できる位置情報端末「LynQ」

2019年02月04日

GNSSを利用したシンプルな位置情報活用ツールが米国を中心にインターネットなどで人気を集めています。ニューヨークのベンチャー企業LynQ社は、GNSS受信モジュールと通信機能を備えた位置情報端末のアイデアを提案し、今年6月の出荷を目指して準備を進めています。

地図は一切使用せず、仲間の端末への距離と方向だけ表示

アウトドアでの使用イメージ

アウトドアでの使用イメージ

社名と同じ名称の端末「LynQ」は、仲間の居場所を確認することに機能を絞ったツールです。円形の白黒画面に表示されるのは、あらかじめペアリング設定した仲間の端末(最大12台設定可能)の名称と、そこまでのおおよその距離と方向だけ。スキーやトレッキングなどアウトドアでのアクティビティのほか、大勢の人が集まり仲間と合流するのが難しい野外コンサートなど、はぐれた仲間を見つけるツールとして使用を想定しています。また、近づいたことを通知するだけでなく、ペアリングされた端末(たとえば子どもに持たせた端末)が一定距離以上離れた場合に警告を発する「セーフティゾーン機能」も備えています。

「LynQ」動作のイメージ図

「LynQ」動作のイメージ図

スマートフォンなどで動作する位置情報アプリの多くは、ネットワークからダウンロードした地図に、GPSなどから得られた自分の位置を重ねて表示することで動作し、多くの機能を実現しています。しかし「LynQ」は違います。端末が取得した位置情報は、端末同士が微弱な電波で直接やりとりします。使用される周波数帯は902~928MHz。通信方式はスペクトラム拡散/周波数ホッピングで、これによりセキュリティーが確保されるとしています。トランシーバーと同様に、モバイルネットワークのカバーエリア外でも使用できます。通信エリアは半径約5km、USBポートからのフル充電で3日間使える仕様になっています。

ボタンは本体に1つ。機能を絞り込んだ点が人気を呼んだ

GNSS受信機には、みちびきの測位信号にも対応したマルチGNSS対応のものが使われています。端末の基本操作は本体に1つだけあるボタンで行い、アウトドアでの使用に耐えるIPX6レベルの防水防塵性能、登山道具のカラビナのようにベルトに吊り下げて使用できるなど、機能を絞り込んだ点が人気を呼びました。クラウドファンディングサイト「INDIEGOGO」では、わずか1時間のうちに目標額(7.5万ドル)を達成し、その後2カ月間で当初目標額の20倍以上の資金を集めたといいます。

「LynQ」

「LynQ」

「LynQ」

※日本国内での無線機の使用には「技適マーク」が必要です。

※ヘッダ及び本文画像提供:LynQ社

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