コンテンツです

丸文、スパイレント・コミュニケーションズ社と共同でGNSSセミナー開催

2016年12月07日

丸文株式会社は11月29日、同社の東京本社においてGNSS関連機器を手がける英国のスパイレント・コミュニケーションズ社(Spirent Communications Inc.)と共同で「GNSS活用における課題解決」をテーマにしたセミナーを実施しました。

講師を務めたアンドリュー・J・アディ氏(左)とリチャード・チャン氏(右)

講師を務めたアンドリュー・J・アディ氏(左)とリチャード・チャン氏(右)

内外の半導体や電子部品・電子機器を扱う丸文は、今年7月にスパイレント社と提携し、同社が開発するGNSSシミュレータを始めとするテスト機器の日本における販売代理店となっています。

衛星増加に伴う信号の干渉事例などを紹介

今回のセミナーでは、スパイレント社のアジアと英国における営業を統括するアンドリュー・J・アディ(Andrew John Addy)氏が講師を務めました。

アンドリュー・J・アディ氏

アンドリュー・J・アディ氏

アディ氏は、GNSS業界のトレンドや各極の動向について概括した後、衛星数の増加に伴う信号の干渉やジャミングによる障害事例など、GNSSを活用したシステムの適切な運用を行っていく上で、どのような課題があるか、具体的なケースを挙げながら解説しました。

中でも参加者の興味を引いたのは、英国・米国・ドイツと日本の東京におけるGPSが利用するL1帯での妨害電波の状況を、フィールド調査に基づいてまとめたレポートでした。

「国を問わず多く見られるのは、トラックのドライバーが簡易なGPSジャマー(妨害電波発生装置)を使うケースです。車載のトラッキングシステムの作動を妨害して雇用主による監視から逃れるために使われますが、それが周囲にも影響を与えてしまいます。英国ではわずか1ワットの妨害電波でも、半径約20km以上のGNSS受信機に影響を及ぼしたという報告もあり、深刻な問題となっています」(アディ氏)

アディ氏は、こうした電波妨害の被害軽減には、高精度なシミュレーションテクニックが必要とされると強調しました。

GNSS機器の開発や試験方法を解説

リチャード・チャン氏

リチャード・チャン氏

続いてGNSS機器の開発および試験の方法について、スパイレント社のリチャード・チャン(Richard Chan)氏が登壇しました。

実際のGNSS信号を受信するライブ・クリアスカイ・テスト、実信号を記録し再生するレコード・再生テスト、疑似信号を生成するシミュレーターテストの長所と短所を提示した上で、同社が提案する「タイミングテスト」「オートモーティブ用テストシステム」などを紹介しました。

丸文では、「もともとGNSSとの関わりはタイミングの分野でしたが、シミュレータ分野で世界大手の一角であるスパイレント社との協業を通じ、自動運転・IoT(Internet of Things)など新たな市場が拡大している分野でも、ビジネスを拡大していきたい」(システム営業本部営業第3部情報通信課課長 廣瀬智康氏)としています。

関連記事