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「トラック隊列走行の実証事業」を豊田通商が受託

2016年09月24日

経済産業省は2020~30年頃の実現が期待される一般車両の自動走行(レベル2・3)やトラックの隊列走行などに向け、必要な技術や事業環境整備のために「スマートモビリティシステム研究開発・実証事業」を進めています。
中でもトラックの隊列走行については「標準化等の協調領域が大きく、事業モデルが存在しないなどの課題がある」(企画競争募集要領より)ことから、必要な技術開発と実証、社会受容性や事業面での検討を行うため、実証事業に携わる事業者の公募を行い、豊田通商株式会社の提案が採択されました。事業期間は2018年度までの3年間の予定です。

トラック隊列走行

トラック隊列走行の実証風景(2012年度)

後続車無人のトラック隊列走行に高い関心

背景としては、日本のCO2排出量の約2割を占めるといわれる運輸部門における環境対策・省エネ対策への期待や、自動走行の普及による省エネへの期待が高まっていることが挙げられています。
さらに、物流業界においては、深刻なドライバー不足の解消や経営効率改善、安全性向上に対する強いニーズが存在しており、その対応策の1つとして、自動走行技術を用いた後続車無人のトラック隊列走行に、高い関心が寄せられています。

トラックの隊列走行については、2008~12年度に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行った「エネルギーITS推進事業」において研究が進められ、大型トラック4台を使った時速80km・車間4mでの隊列走行では、空気抵抗が低減される効果などにより約15%の燃費削減が見込まれるとの成果が出ています。また、車間距離の低減による道路そのものの輸送力向上で、渋滞を緩和する効果も期待されます。

豊田通商ではこうした背景を踏まえ、大型車メーカーや物流事業者など関係各社と協業し、トラック隊列走行の実用化に向けた技術開発、実証実験、事業面の検討を実施するとしています。

「スマートモビリティ」事業では全7テーマが採択

なお、2016年度「スマートモビリティシステム研究開発・実証事業」では、豊田通商の隊列走行実証を含む、以下の7テーマが採択されています。

1)豊田通商株式会社「トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証」
2)国立研究開発法人産業技術総合研究所「専用空間における自動走行等を活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」
3)一般財団法人日本自動車研究所「一般車両による自動バレーパーキングシステムの社会実装に向けた実証」
4)一般財団法人日本自動車研究所「革新的周辺環境認識技術の開発」
5)一般財団法人日本自動車研究所「運転行動データベースの構築技術の開発」
6)株式会社デンソー「事故データベースの構築技術の開発」
7)一般財団法人日本自動車研究所「安全設計技術の開発」

参照サイト

※ヘッダの画像は、イメージです。本文画像提供:豊田通商株式会社

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