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東京駅周辺の魅力向上を目指すハッカソン、国交省が開催

2016年02月08日

2018年度に実現するみちびき4機運用体制により、屋外の測位精度向上が見込まれる一方で、無線ビーコンなどを利用した屋内測位環境の整備が駅や空港、地下道などさまざまな施設で進められています。国土交通省は、屋内外で高精度の測位が可能となる時代に向けて、空間情報インフラを効率的・効果的に整備する手法や継続的に維持・更新する体制を検討する「高精度測位社会プロジェクト実証実験」に取り組んでいます。

ハッカソンに臨む参加者たち

1月23・24日の2日間、同プロジェクトの一環として、東京駅周辺の魅力を屋内外シームレスな測位技術を活用して向上させるソリューションを開発する「東京駅周辺の魅力向上サービス創造ハッカソン — 高精度測位社会を目指して」が都内で開催されました。

6チームに分かれてソリューション開発とアプリ作成

このハッカソンは、昨年12月に開催された「東京駅周辺の魅力向上サービス創造アイデアソン」に続くもので、その時に創出されたアイデアを参考に、エンジニアやプランナー、研究者などさまざまな人が、スマートフォン向けのアプリケーションやサービスなど、高精度測位を活用したソリューションの構築に取り組みました。

仲間を見つけて計6チームに分散

初日は、アイデアソンで創出された10のアイデアのプレゼンテーションを行いました。東京駅構内をナビゲーションするサービスや、訪れた人にお勧めスポットなどを紹介するコンシェルジュサービスなどのアイデアを紹介した後、参加者それぞれが取り組みたい方向性のアイデアを選び、仲間を見つけて計6チームに分かれました。

チームごとに議論する参加者

チーム分けが終わり、いよいよ開発がスタートします。わずか2日間しかない中で効率よく開発できるように、運営側も、開発に関する相談を受ける「開発支援チーム」や、アプリケーション作成に必要なデータを探してくれる「データお助け隊」を設置するなどのサポートを行いました。

2日目はアプリの検証と作品の発表

2日目は東京駅近くに会場を移し、開発中のアプリケーションを東京駅構内の中で、ビーコンによる測位などを試すことができる環境を整えました。中には東京駅地下街でアプリの動作検証を行ったチームもありました。

東京駅地下街でアプリの動作検証

午後には、6チームによる作品のプレゼンテーションが行われ、その後に審査発表が行われました。今回のハッカソンでは、東京駅の魅力を向上させるための「革新性」「実用性」「屋内測位技術や地図データの有効活用性」などの観点から評価が行われました。表彰された3作品を紹介しましょう。

チーム毎に作品をプレゼンテーション

▼国土交通省 国土情報課長賞

「まるじいとやえ坊」の画面表示

「まるじいとやえ坊」(チームかにかに)

東京駅に関する不満をツイートすると、その内容や位置情報に基づいて、その話題についての「うんちく」をbot(特定の時間やキーワードをもとに自動ツイートするプログラム)が自動的に応答してくれるアプリ。東京駅の歴史性と先進性を象徴する2つのキャラクター(「まるじい」と「やえ坊」)のbotが、東京駅の知識を楽しく教えてくれます。

▼株式会社NTTデータ e-コミュニティ事業部長賞

「ぶらり、スキマ時間の旅」の画面表示

「ぶらり、スキマ時間の旅」(チームスキマ)

乗り換えなど空いた時間に散策できる東京駅の魅力的なスポットを紹介するアプリ。空き時間の長さに適したスポットを通知して、その詳細情報を表示します。設定した時間が近づくと画面枠の点滅やバイブレーションで知らせる機能も搭載しています。

▼慶應義塾大学大学院 SDM研究科委員長賞

「東京★モンスターズ」の画面表示

「東京★モンスターズ」(ミナとゆかいな仲間たち)

最新のPOI情報(施設情報)をタイムレース形式で収集するミッションクリア型の位置情報ゲーム。「あの店に並んでいる人の数を教えて」「おすすめのお土産を教えて」といったミッションを依頼すると、他のユーザーが“モンスター”となって答えを教えてくれます。もちろん自分自身でモンスターとなり、誰かの依頼に応えることも可能です。なお、この作品は、参加者全員の投票でトップの作品に贈られる「高精度測位社会プロジェクト賞」も受賞しました。

「この2日間で終わりにせず、関係を続けていただきたい」

ハッカソンのファシリテーターを務めた慶應義塾大学大学院SDM研究科の神武直彦氏は、「皆さんが開発した今日の6つの取り組みは、皆さんの思いと、そしてニーズがあれば、事業に結びつく可能性は大いにあり、できればこの2日間で終わりにせず、関係を続けていただきたい」と希望を語りました。

慶應義塾大学大学院SDM研究科 神武直彦氏

「社会を豊かにするようつなげていきたい」

また、国土交通省 国土政策局の笠間三生氏は、「来年度以降も、東京駅に加えて空港や競技場、あるいは別のターミナルなどで、今回のような取り組みを続けたいので、『こういうデータがあれば良いサービスができる』『こういうところにビーコンがあった方がいい』といった提案を、このような場でいただき、社会を豊かにするようつなげていきたい」と締めくくりました。

国土交通省 国土政策局 笠間三生氏

2日間にわたって東京駅の魅力向上を実現するためのアプリ開発に挑んだ今回のハッカソン。これら6つのプロトタイプが今後どのように発展して、高精度測位社会における新たなソリューションの実現につながっていくのかが注目されます。

参照サイト

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