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ドイツ自動車メーカー3社がノキア地図事業を買収と、欧米メディアが報道

2015年07月29日

高度道路交通システム(ITS: Intelligent Transport Systems)を支える次世代技術として注目されている自動運転。この自動運転技術の高度化に重要な役割を果たすのが、高精度の地図データです。

フィンランドの電気通信機器メーカー「ノキア(Nokia)」の地図・位置情報サービス事業を、ドイツの大手自動車メーカー3社が共同で買収すると、このほど欧米メディアが報じました。

報道によれば、BMW、アウディ(Audi)、ダイムラー(Daimler)の3社が、ノキアの地図・位置情報サービス事業を扱う子会社「HERE」の買収について、7月中の合意に向け交渉を進めており、買収額は25億ユーロ(約3,400億円)を超える見通しとのことです。正式合意後には、フィアット・クライスラー(Fiat Chrysler Automobiles)やルノー(Renault)、PSA・プジョーシトロエン(PSA Peugeot Citroën)、フォード(Ford Motor Company)や、日本のトヨタ自動車といった他の大手自動車メーカーに、HEREへの投資を呼びかける考えがあるとも報じられています。

HEREは欧米の大手自動車メーカーと幅広く取り引きしており、欧州や北米のカーナビを標準搭載した自動車では約8割のシェアを持つと言われます。また、サムスン(Samsung)やマイクロソフト(Microsoft Corporation)などの製品にライセンス提供していることで知られています。

自動運転技術では、グーグルが自らの地図情報の強みを活かして参入するなど、今後より地図情報の重要性が増すと予想されます。今回のHEREの買収に関しては、米国のIT企業Facebookや配車サービスのウーバーテクノロジーズ、中国の検索サービス「バイドゥ」(Baidu)やテンセント(Tencent)などが買い手候補として浮上していました。本来なら自動運転車の開発で競合となるドイツの3社が異例の連合を組んだのも、地図分野において米国IT企業等への対抗が必要とされたためと言われています。

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