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矢野経済研究所が屋内位置情報システムの市場調査結果を発表

2015年11月16日

株式会社矢野経済研究所は、今年6~9月にかけて国内の屋内位置情報システム市場の調査を実施し、このほどその結果を発表しました。

それによると、2015年度の国内における屋内位置情報システムの市場規模は、事業者売上高ベースで108億円の見込みで、その内訳は、B2B(Business to Business、企業間取引)領域のサービスが92億円、B2C(Business to Customer、企業が個人向けに行う事業)領域のサービスが16億円となっています。

また、今後の予測として、当面はB2B領域サービスが市場拡大をけん引する中、東京オリンピック/パラリンピックが開催される2020年に向けてユーザーの認知度が高まることなどもあり、徐々にB2Cサービス領域の市場拡大が加わり、2020年度には2015年度の3倍以上の365億円(事業者売上高ベース)に上ると予測しています。

国内の屋内位置情報システム市場規模予測 (出典:矢野経済研究所「屋内位置情報システム市場に関する調査結果2015」)

国内の屋内位置情報システム市場規模予測 (出典:矢野経済研究所「屋内位置情報システム市場に関する調査結果2015」)

注1. 事業者売上高ベース
注2. 見込み値、予測値ともに2015年9月現在

事業機会の損失防止に向け、デファクト化/社会インフラ化が急務

この調査では、屋内位置情報システムを、「屋内測位技術」と「屋内地図情報」を利用した屋内向けの位置情報活用サービス/ソリューションと定義づけています。

「屋内測位技術」は、衛星測位信号が届かない建物内や地下街でも測位可能なRFID(Radio-Frequency Identification、無線ICチップを利用した固体識別・管理)、無線LAN(Wi-Fi)、BLE(Bluetooth Low Energy)、UWB(Ultra Wide Band、超広帯域無線)、IMES(Indoor MEssaging System)などを、「屋内地図情報」は、主に駅・空港や大規模な商業施設などで使われるナビ用途の位置情報と連動した施設内の電子地図情報を対象とし、市場規模は該当する事業者の売上高ベースで金額を算出しました。

今後の市場拡大に向けた課題として、(1)iBeacon(iPhoneのiOS7に標準搭載されたBLE技術を使った新技術)に期待するユーザーへの具体的なソリューションの提供、(2)インフラ設置・維持への高額な費用負担を促す明確なインセンティブの提示、の2つを挙げ、今後は、屋内位置情報システムの「デファクト化/社会インフラ化」を進め、屋外でのGPSに相当するデファクトスタンダード技術が存在しないことに起因する業界全体としての事業機会の損失を防止すべきと提言しています。

※ヘッダの画像はイメージです。

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