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シスコと慶應SDM、宇宙アセットを利用した東京2020大会に向けた参加型サービス創出プログラムを開始

2019年11月21日

ネットワーク機器大手のシスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)と慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(以下、慶應SDM)はこのほど、2020年夏に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けたサービス創出プログラムをスタートさせました。プログラムは「宇宙アセット(資産)」と「都市体験」を結びつける新たなサービスの創出を目指すもので、そこではみちびきやGIS(Geographic Information System、地理情報システム)が重要なキーワードとなっています。

Tokyo Moonshot Challenge リフトオフイベントを開催

11月13日、東京・日本橋のX-NIHONBASHIで新しい都市体験を提供するサービスの創出を目的とした参加型プログラムTokyo Moonshot Challengeのリフトオフイベントが開かれました。今後、専門家による定期的なラーニングセミナーや、筑波宇宙センターで開催されるワークショップ、さまざまな視点での評価が行われるコンテスト、東京オリンピック・パラリンピック期間中のショーケースと続くこのプログラムは、東京2020大会をターゲットに、安心・安全な都市を実現するサービスや、暮らしを支える最先端のデジタルサービスなど、大会終了後も引き続きレガシーとして残るような、新たな「都市体験」につながるサービスをプログラム参加者と共に創出していくことがゴールになっています。

会場の様子

リフトオフイベントでは、慶應義塾大学大学院(システムデザイン・マネジメント研究科)の神武直彦教授が講演を行いました。プログラムコーディネーターや審査員としてもプログラムに関わる神武氏は講演の中で「通信衛星、観測衛星と並んで、測位衛星は重要な宇宙アセットである」として、ラグビーなどプロスポーツにおけるGNSSデバイスの利用シーン紹介を皮切りに、デバイスのコストダウンが進む中で学生スポーツにおけるパフォーマンスが向上した事例や、子どもや高齢者などのスポーツ推進事業への応用が進んでいる事例を紹介。「みちびきの登場が象徴するマルチGNSS時代の到来で、さらに用途の広がりが期待できる」と語り、プログラムへの参加を呼びかけました。

また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の藤平耕一氏(新事業促進部 事業開発グループ 主査)も講演の中で、測位衛星の活用が新サービス創出の一つのカギになると位置付け、みちびきの機能やサービス、今後の計画を紹介しました。

慶應義塾大学の神武氏

慶應義塾大学の神武氏

JAXAの藤平氏

JAXAの藤平氏

当日は他に、シスコの鈴木和洋氏(代表執行役員 会長)や宇宙広報団体(TELSTAR)副代表の荘司弘祐氏、学生団体である宇宙開発フォーラム実行委員会(SPACE Development Forum)代表の船井翔氏らも登壇しました。プログラムは今後、数回のセミナーやワークショップを経て、来年4月にコンテストが行われます(最優秀賞には、賞金100万円とオリンピック観戦チケットが贈られます)。

以上

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