コンテンツです

GPS/GNSS研究会がみちびき「神戸主管制局」の見学会を実施

2022年06月13日

GPS/GNSS研究会は5月27日、兵庫県神戸市にあるみちびきの主管制局の見学会を実施しました。みちびきの主管制局は神戸と茨城県常陸太田市の2カ所にあり、神戸主管制局(神戸監視局も併設)は、国土交通省の神戸航空交通管制部(西日本エリアを飛行する航空機に対して管制業務を提供)と同じ敷地内に設置されています。
また、GPS/GNSS研究会は、公益社団法人日本航海学会傘下の研究会として、産官学と利用者の間で連携しながらGNSSに関する調査や研究を行っています。当日は、産学官から参加した関係者ら約20名が、みちびきの主管制局と国交省の神戸航空交通管制部の2つの施設を見学すると共に、その前後に行われた施設概要やみちびきの開発状況などを説明する講演会を聴講しました。

神戸航空交通管制部の松原部長が講演

講演会では、GPS/GNSS研究会の会長を務める坂井丈泰氏(国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 電子航法研究所)がオンラインで開会挨拶を行い、続いて国土交通省神戸航空交通管制部長の松原悟氏が施設の概要を説明しました。

坂井会長

坂井会長

松原部長

松原部長

内閣府の沼田参事官がみちびきの基調講演

松原氏の講演後、グループごとに分かれた参加者が管制局と神戸航空交通管制部を見学し、その後、内閣府宇宙開発戦略推進事務局の沼田健二参事官(準天頂衛星システム戦略室長代理)が「準天頂衛星システムの開発状況」と題した基調講演を行いました。基調講演は、スマートフォンを用いたハイブリッド形式で行われ、会場以外にオンラインからも約20名の聴講がありました。
沼田参事官は、みちびき初号機後継機のサービス開始を報告し、今後の7機体制確立時への軌道遷移に備えた現在の軌道配置について解説しました。また、海外向け高精度測位補強サービス(MADOCA-PPP)整備の現状や、信号認証(航法メッセージ認証)機能などの開発の背景や概要を説明しました。講演の最後には見学会参加者及びオンラインでの講演会参加者との質疑応答も行われました。

沼田参事官

沼田参事官

講演の様子

講演の様子

▽参加者の声

広島市立大学 高橋賢准教授

広島市立大学の高橋准教授

「アンテナが並び、周囲を見渡せる展望タワーのような施設を想像していましたが、実際に来てみるとオフィスビルのような建物でした。見学は非常に貴重な機会であり、久しぶりの対面イベントで、ふだんウェブサイトの記事やオンライン講演会で見ている方々と会って情報交換でき、実り多い機会となりました」

熊本高等専門学校 入江博樹教授

熊本高等専門学校の入江教授

「見学中、空の安全や衛星の運用監視という重要な役割を担う施設であることがひしひしと伝わってきました。静かな中にも緊張感をもって仕事を進めている姿を、GNSSの研究や利用のシーンで思い浮かべることもあると思います。貴重な見学会の企画と実施をいただいたGPS/GNSS研究会や関連省庁の皆さまに感謝します」

GPS/GNSS研究会は例年、春季・秋季の2回、講演会や見学会を開催していますが、コロナ禍以降は中止やZoomによるオンライン開催が続いていました。今回の見学会及び講演会が無事終了したことで、今後活動が活発化すると関係者は期待しています。

(取材・文/喜多充成・科学技術ライター)

参照サイト

関連記事