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[告知] 奥州宇宙遊学館でみちびきをテーマにサイエンスカフェ

2016年12月11日

岩手県奥州市が運営する科学館、奥州宇宙遊学館で2016年12月18日(日)15~16時の1時間、みちびきを題材にしたサイエンスカフェが開催されます。
サイエンスカフェとは「科学の専門家と一般の人々が、カフェなどの比較的小規模な場所でコーヒーを飲みながら、科学について気軽に語り合う場をつくろうという試み」(日本学術会議)で、「科学者が市民と対等の目線で出会うコミュニケーションの場」として近年、大学や研究機関、科学館が核となり各地で行われています。

サイエンスカフェのちらし

この日のテーマは、「私は今どこ? GPSカーナビへの歴史 ~準天頂衛星『みちびき』って知ってる?~」。日曜日の午後のひととき、みちびきに至る衛星測位の歴史を考えてみようという企画で、国立天文台水沢VLBI観測所の主任研究技師である佐藤克久氏が講師を務めます。
佐藤氏は当日の内容について、「1957年に打ち上げられたスプートニク1号の “ピー、ピー、ピー”という音を聞いてもらい、ロランC(=船舶や航空機に使われた地上系の電波航法システム)やNNNS(=Navy Navigation Satellite System、米国海軍の衛星航法システム)、GPSなどの測位システムを解説していきます。また、みちびきを題材に、GNSS分野での日本の貢献もお話ししたいと思っています」と語ります。

「銀河鉄道の夜」創作のヒントにも

この奥州宇宙遊学館は、国立天文台水沢キャンパスの中にあります。1921(大正10)年に建てられた「緯度観測所」の旧本館を活用して創設された科学館です。この年は作家の宮沢賢治が郷里で教職を得た年でもあり、観測所は「銀河鉄道の夜」などの創作のヒントにもなったと言われています。
旧本館は老朽化に伴い、いったんは解体が決まっていましたが、それを知った市民の手で保存活用の道が探られ、耐震改修工事などを経て「非日常的なレトロな空間で宇宙体験が味わえる施設」(同館ウェブサイトより)として現在の形になりました。サイエンスカフェの活動も2008年の創立当時から継続しており、今回の催しで39回目となるとのことです。

同じ国立天文台水沢キャンパスの敷地内にある水沢VLBI観測所は、天体の運行の精密な観測や、銀河系内の恒星の正確な位置計測などを、測地学でも使われるVLBI(Very Long Baseline Interferometry、超長基線電波干渉法)の手法を使って行う施設です。

水沢キャンパスの写真

国立天文台水沢キャンパス(画像提供:国立天文台)

開催の詳細やお申込みは、奥州宇宙遊学館までお問い合わせください。

参照サイト

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