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ジャパン・ドローン2018でGNSS関連のセミナー・展示

2018年04月06日

一般社団法人日本UAS産業振興協議会が主催するジャパン・ドローン2018が、2018年3月22~24日に千葉・幕張メッセで開催されました。今年で3回目を迎えた展示会は、UAV(無人航空機)と周辺産業への関心の高まりを反映し、機体だけでなく部品・デバイス、通信機器、映像機器、サービス・ソリューション提供企業などが多数出展しました。併催イベントとして行われたドローン関連セミナーも含め、みちびきやGNSSに関連する話題を紹介します。

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(略称・DRESSプロジェクト)を開催し、ドローンに関連したビジネスの実現を目指す各社の研究開発成果を発表しました。

講演の様子

セミナーの開催風景

1)準天頂衛星システムを利用した無人航空機の自律的ダイナミック・リルーティング技術の開発(SUBARU 阪口氏)

SUBARU 阪口氏
阪口氏

SUBARU 阪口氏

株式会社SUBARUの阪口晃敏氏(航空宇宙カンパニー 技術開発センター 無人機設計部)は、「地上からUAV間の通信インフラが十分整備されておらず、かつさまざまな状況変化が想定される離島間物流のような長距離飛行では、UAVは自律的に飛行経路を変更する必要が生じる」として、みちびきを利用して精密に飛行する自律的ダイナミック・リルーティング技術を実装したシステムの開発計画を示しました。

2)正確な位置情報を共有するための準天頂衛星対応受信機の研究開発(マゼランシステムズジャパン 岸本氏)

岸本氏
岸本氏

マゼランシステムズジャパン 岸本氏

マゼランシステムズジャパン株式会社の岸本信弘氏(代表取締役)は、同社が開発した、みちびきの信号とIMU(慣性計測装置)の情報を組み合わせ高精度の位置情報を得るシステムを紹介し、UAVでの活用を呼びかけました。

3)準天頂衛星対応受信機の低消費電力化の研究開発(三菱電機 角谷氏)

角谷氏
角谷氏

三菱電機 角谷氏

三菱電機株式会社の角谷卓磨氏(鎌倉製作所 ITシステム部 空間情報システム課)は、みちびき対応受信機を省電力化することがUAVの運用継続性に寄与することになるとした上で、測位信号処理の解析や受信機の発熱個所のシミュレーションと熱画像分析などの結果を紹介し、今後の研究開発の道筋を示しました。

展示ブース

1)高度空間計測技術開発コンソーシアム

高度空間計測技術開発コンソーシアムの展示は、レーザスキャナとGNSS用アンテナと受信機を3セット搭載したUAV。機上および地上の基地局間とでRTK測位を行うことで、機体の位置と姿勢を高精度に把握し、精度良い3次元計測を目指します。関西大学総合情報学部の田中成典教授が中心となって進める“関西大学カイザー・プロジェクトS”による開発中の機体を展示しました。

高度空間計測技術開発コンソーシアムの展示ブース

2)DJI

ドローン大手のDJI JAPAN株式会社は、地上基地局と機体間でRTK法による高精度測位に対応する「Matrice 210 RTK」のほか多数のUAVを展示しました。

DJIの展示ブース

3)ニコン・トリンブル

測量用GNSS受信機大手の株式会社ニコン・トリンブルは、UAV搭載・組み込みを想定したGNSS受信機群を展示しました。

ニコン・トリンブルの展示ブース

4)マゼランシステムズジャパン

マゼランシステムズジャパン株式会社の展示ブースでは、みちびき対応多周波マルチGNSS高精度受信機を応用したUAV機体や、農機などでの利用事例を紹介しました。

マゼランシステムズジャパンの展示ブース

(取材/文:喜多充成・科学技術ライター)

参照サイト

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