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陸上自衛隊が富士通の災害救助活動支援サービスを導入

2015年09月10日

近年、大規模な被害が発生する自然災害が顕著となっている状況を背景として、毎年500件以上の災害派遣活動を実施している陸上自衛隊が新たに導入した「災害救助活動支援サービス」をご紹介します。

富士通株式会社が開発したシステムでは、洪水や土砂崩れなど災害現場の写真やメッセージをGPSの位置情報と併せて地図上に即時表示できます。陸上自衛隊の第15旅団(西部方面隊に所属し、沖縄県の防衛警備及び災害派遣を担当)は、これを災害発生時の即応部隊の情報収集、及び指揮所との連絡手段として導入しました。今年6月から沖縄県内の隊員と自衛隊OB団体の隊友会のメンバーが利用を開始しています。

災害時情報共有のイメージ図

災害時情報共有のイメージ

スマホで送ったGPS情報付き現場状況を地図上にマッピング

サービスの仕組みは、まず災害時などに現場で活動する隊員が、洪水、土砂崩れなどの災害状況の写真やメッセージを、スマートフォンからGPSの位置情報とともに送信します。それを富士通のデータセンターに集約し、リアルタイムで地図上にマッピングします。この情報は、指揮所に設置しているパソコンや、隊員のスマートフォンからインターネットに接続して参照できるため、指揮官と隊員、及び現場の隊員の間で、現場の状況をリアルタイムで共有できるというものです。

現場情報を表示したスマホ画面のイメージ

加えて、地図上に隊員の所在位置を表示し、地図上で連絡をとりたい隊員を選択するだけで、その隊員とメッセージのやり取りができるコミュニケーション機能も備えています。

メッセージは、1対1、または1対nの送受信が可能で、たとえば、被災地で救助作業中の隊員が、最寄りの隊員に救援を求める場合、地図上でその隊員の位置を視覚的に確認し、その隊員を示す画面上のピンに触れるだけでメッセージ送信先に設定できます。指揮所から特定エリアの隊員全員に一斉指令を出したい場合も、その範囲を画面の地図上で指定するだけで一斉送信が可能となります。

メッセージ機能の画面イメージ

隊員を指定してメッセージを送信

メッセージ機能の画面イメージ

エリア内の隊員全員へメッセージを一斉送信

7月には沖縄で災害対処訓練を実施

7月に沖縄で行われた災害対処訓練の様子

官民合同で実施された訓練の様子

7月24日には沖縄県で自治体、警察、消防など約80機関が参加して、同サービスを活用した大規模災害対処訓練が実施されました。訓練は、沖縄で大規模地震が発生した際の被害を想定して行われ、リアルタイムでの現場情報の共有が迅速な被災地支援行動につながることが確認できました。陸上自衛隊第15旅団では、引き続きのサービスの活用を検討しています。

参照サイト

※ヘッダ及び本文中の画像は、富士通株式会社提供

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