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G-SPASE、2017年度中間成果報告会を開催

2017年11月02日

東京・お台場の日本科学未来館で10月12~14日の3日間にわたり「G空間EXPO 2017」が開催されました。その併催イベントの一つとして、10月13日にG-SPASE(グローバルな学び・成長を実現する社会課題解決型宇宙人材育成プログラム)2017年度中間成果報告会「宇宙技術・地理空間技術を利用した社会イノベーション ~宇宙・地理空間情報技術を使った社会課題解決型人材育成のあるべき姿~」が開催されました。

会場となった日本科学未来館のイノベーションホール

会場となった日本科学未来館のイノベーションホール

イベントを主催したGESTISSは、宇宙と地上のインフラを統合し、問題抽出から課題解決に関わることのできる人材の育成と、国内外のネットワークづくりを目的とする一般社団法人です。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科がG-SPASEプログラムの代表機関を務め、東京大学空間情報科学研究センター(CSIS)、東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科、青山学院大学地球社会共生学部、事業構想大学院大学事業構想研究科が参加しています。

なお、このプログラムは、文部科学省委託事業「グローバルな学び・成長を実現する社会課題解決型宇宙人材育成プログラム」として実施されています。

宇宙技術・地理空間技術を利用した社会イノベーション

── 東京大学CSIS・柴崎亮介教授

東京大学CSIS・柴崎亮介教授

報告会では最初に、GESTISSコンソーシアム代表で東京大学CSISの柴崎亮介教授が登壇。柴崎氏は「まずは、みちびき4号機の打ち上げ成功を喜びたい。世界では小型衛星を活用したビジネスの動きが急速に進んでいます。大量のデータを機械で解析するAI時代は、変化のスピードが大きく、ベテランの存在しない世界。個人でできることが急激に拡大する中、それに対応できる人材を育てる必要があります」と挨拶しました。

G-SPASE:グローバルな学び・成長を実現する社会課題解決型宇宙人材育成プログラム

── 慶應義塾大学大学院・神武直彦准教授

慶應義塾大学大学院・神武直彦准教授

続いて慶應義塾大学大学院SDM研究科の神武直彦准教授が講演を行いました。神武氏はこのプログラムにおける人材育成の取り組みについて紹介すると共に、公益財団法人日本デザイン振興会が選定するグッドデザイン賞(教育・推進・支援手法)の受賞を報告。6年目を迎え17カ国・200名以上の修了生を輩出したこのプログラムの手応えを語りました。

GNSSにおける日欧協力と人材育成プログラムの紹介

── 日欧産業協力センター・角谷陽子氏

日欧産業協力センター・角谷陽子氏

日欧産業協力センターでGNSS.asiaプロジェクトマネージャーを務める角谷陽子氏は、昨年暮れに初期サービスが始まった欧州の衛星測位システム「ガリレオ」の概要や、GNSS技術の応用と社会実装を目指す世界的なアイデアコンテスト「ガリレオマスター」について紹介しました。またこのコンテストのアジア地域賞である「GNSS.asiaチャレンジ」で、警察庁科学警察研究所の原田豊氏が考案した「聞き書きマップ」が第2位に入賞したことを報告しました。

このほか、報告会では以下のような講演や報告が行われました。

Fabien Roudier氏

People Analytics: Screening Human Intelligence with A.I.(人材評価アプリ「GROW」の紹介)── Institution for a Global Society株式会社・Fabien Roudier氏

青山学院大学・古橋大地教授

State of the DRONEBIRD(OpenStreetMapと連動し、自治体と協定を結んで災害時の機動観測を行うボランティア隊 “DRONE BIRD”の紹介)── 青山学院大学・古橋大地教授

慶應義塾大学大学院・西野瑛彦研究奨励助教

渋谷教育学園渋谷中学高等学校との取り組み(地理情報システムを活用し渋谷の魅力を発掘するプロジェクトの紹介)── 慶應義塾大学大学院・西野瑛彦研究奨励助教

学生によるプロジェクト報告

学生によるプロジェクト報告
 講演に続いて、プログラムに参加した6名の学生が以下のプロジェクト発表を行いました。
  • Log Analysis:Taxi Probe Data Analysis for Business Catchment ── 東京大学・Saurav Ranjitさん
  • Small Robot Utilization:精度の良い自動草刈を目指して ── 東京海洋大学・細見巧さん
  • Agriculture Intelligence:Using Machine Learning and GIS for Agriculture Microfinance ── 慶應義塾大学・Naomi Simumbaさん
  • Disaster Management:3次元モデルに基づく災害時避難経路の決定プロセス ── 慶應義塾大学・水村潔美さん
  • Asian Base Station:Asian Base Station 2017 ── 東京海洋大学・髙橋漱さん
  • Precise UAV mapping with RTK-GNSS:UAV Mapping with Low Cost RTK-GNSS Receiver ── 東京大学・Saurav Ranjitさん
会場内に展示された学生プロジェクトに関するポスター

会場内に展示された学生プロジェクトに関するポスター

パネルディスカッションとクロージング

パネルディスカッションの様子

この後に行われたパネルディスカッションでは、プログラムに参加した学生から今後の方向性に関する可能性や改善策なども提示されました。

パネルディスカッションの7人の登壇者

最後に東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科の久保信明准教授が「みちびきやガリレオはミリタリー主導ではなく整備が進められた測位衛星である点がユニーク。これを強みとしてさまざまな活用を進めていきたい」と挨拶し、報告会は終了しました。

東京海洋大学の久保准教授

東京海洋大学の久保准教授

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