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スマート農業をテーマに「農業機械化フォーラム」を開催

2017年12月12日

一般社団法人日本農業機械化協会は11月29日、国立研究開発法人農研機構農業技術革新工学研究センター(埼玉県さいたま市)にて「2017農業機械化フォーラム」を開催しました。

ぎっしり埋まったフォーラム会場

今回のテーマは「ここまで来たスマート農業」で、スマート農業の現状と将来の方向を紹介し、目指すべき先について議論を行おうというものです。みちびきの4機体制がスタートする来年度に向けて農業機械のGNSS利用が本格化しつつあることを踏まえ、この日は、生産現場におけるスマート農業の活用事例や、最新技術動向などの講演、最新の農業機械や営農管理支援ソフトウェアの展示・実演などが行われました。

基調講演「準天頂衛星『みちびき』の最新動向」

内閣府の滝澤参事官

基調講演では、内閣府宇宙開発戦略推進事務局の滝澤豪参事官(準天頂衛星システム戦略室長)が「準天頂衛星『みちびき』の最新動向」と題して講演しました。滝澤氏は、今年6~10月のみちびき2~4号機打ち上げ成功を報告し、その最新状況を説明すると共に、衛星測位の仕組みや、諸外国の測位衛星システムの状況なども解説しました。
さらに、GPSの補完・補強、メッセージサービスなどみちびきが提供する各機能を詳細に紹介した上で、みちびきの活用法として、IT農業や土木建設、自動運転、鉄道・船舶の管理、ロードプライシング、高精度ナビゲーション、海洋管理など、多様な可能性が検討されているとしました。

基調講演の様子

農業分野は、高齢化の進行などで労働力不足が深刻化しており、省力化が課題だと指摘。その解決に向けて官民でさまざまな実証が行われ、低価格のみちびき対応受信機の開発も進んでいると説明しました。その他、みちびきを活用した道路交通分野(自動運転)や土木建設、スポーツ、観光などの動向を解説すると共に、「衛星測位」関連市場の国際動向も紹介しました。

滝澤参事官は講演の最後に、現在、政府が一丸となって衛星測位のインフラを整備中である点にふれ、「インフラは活用されて、初めてその役割を果たせます。来年度から、みちびきという全く新しい経済インフラがスタートするので、ぜひ皆さまのビジネスに役立て、日本の農業の生産性向上につなげてほしい」と期待を語りました。

みちびき対応受信機なども展示

基調講演のほか、池守農場(北海道)の池守明裕氏による農機のGPS自動操舵に関する講演や、株式会社西部開発農産(岩手県)の清水一孝氏によるスマート農業の取り組みなど、次世代の農業に関するさまざまな講演が行われました。

日本ニューホランドの展示ブース

株式会社クボタの展示ブース

さらに、スマート農業を実現する農機の実演や、スマート農業に関する製品やソリューションを紹介する展示コーナーも設けられ、マゼランシステムズジャパン株式会社によるみちびき対応の受信機の評価用ボードなども展示されました。

マゼランシステムズジャパンの展示

マゼランシステムズジャパンによる、みちびき対応受信機の評価用ボード

みちびきに対応した評価ボード

参照サイト

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