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[報告]「第8回 国際 建設・測量展」でみちびきのセミナーと展示

2026年07月27日

2026年6月17~20日の4日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)において「第8回 国際 建設・測量展(CSPI2026)」(主催:国際 建設・測量展 実行委員会)が開催されました。建設・測量業界の課題解決や環境改善、生産性向上に貢献することを目的とした展示会で、18の業界団体が協力し、建設業や土木業、測量業など幅広い分野の製品やサービスが一堂に会しました。同展に今回初めて参加した内閣府宇宙開発戦略推進事務局は、6月19日にセミナー「『みちびき』が創るスマート社会~社会インフラとしての『みちびき』」を開催し、会期中を通してみちびきブースを出展しました。

※セミナー 2)北海道ガス株式会社と 3)株式会社松本コンサルタントは、1月のG空間EXPO2026のセミナーにも登壇いただいており、改めて最新情報を含めた内容での講演となりました。過去に紹介した内容と重なる部分もあり、今回は主なポイントに絞って紹介します。

会場風景-1
【セミナー】「みちびき」が創るスマート社会
~ 社会インフラとしての「みちびき」~
セミナー-1
1)「みちびき」もスマート建設・測量を支えたい
~産業インフラとしての準天頂衛星システム~(内閣府 三上参事官)
三上参事官

内閣府宇宙開発戦略推進事務局の三上建治参事官(準天頂衛星システム戦略室長)は、日本の宇宙政策やみちびきの運用体制について解説した上で、GPSを補完する衛星測位サービスや、高精度測位を実現する測位補強サービスとしてCLAS(センチメータ級測位補強サービス)、SLAS(サブメータ級測位補強サービス)、MADOCA-PPP(高精度測位補強サービス)など、みちびきの提供サービスの概要を説明しました。そしてCLASの専用受信機は技術開発の進展により小型化・低価格化が進んでおり、様々な分野で利用が拡大していると説明しました。

スライド-1

三上参事官は、みちびきはRTK(リアルタイムキネマティック)測位と競合するものではなく、もしRTKが容易かつ安価に使える環境であればRTKを利用し、「手軽な高精度測位が必要」「中山間地域など地上通信が届かない場所で使用」「基地局不要で受信機だけで測位したい」といった状況であれば、みちびきの利用をぜひ検討してほしいと呼びかけました。そして、林業や畜産、ドローン物流、海洋、インフラ・メンテナンスなどの各分野におけるCLASの活用事例を紹介しました。

スライド-2

みちびきの今後については、現在7機体制の整備に向けて取り組んでおり、将来的には11機体制にすることで、どの1機が壊れてもサービスに影響が出ないような体制を実現したいと目標を述べました。さらに、みちびきは位置情報を提供すると共に、正確な時刻も提供する“陰のインフラ”でもあることを説明し、今後の応援を呼びかけました。

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2)北海道ガスにおけるスマート保安推進の取り組み
~みちびきを利用した実証事業の成果~(北海道ガス 板野氏)
板野氏

北海道ガス株式会社の板野愉朋氏(技術開発研究所 技術開発グループ 課長)は、みちびきを利用した実証事業で実施した「CLASとLiDAR SLAMのハイブリッド運用による都市ガス供給エリアでのGNSS活用標準化に向けた実証」の取り組みを紹介しました。
同社は、GNSSを活用して埋設ガス導管の漏洩検査を行う「ガス導管漏洩検査管理システム」を2023年度に開発・導入しました。このシステムは、ネットワーク型RTK測位により検査員の高精度位置情報と検査履歴を取得し、検査結果の記録・集計・報告を自動化するものですが、ネットワーク型RTK測位の運用コストの高さと都心部における測位品質の低下が課題となっています。
そこで、ランニングコストが不要で高精度測位が可能なCLASを導入すると共に、LiDAR(レーザースキャナー)を組み合わせて都市部における測位品質低下を補完することを検討しました。実証の結果、都市部や繁華街、郊外など大部分のエリアでCLASによる高精度測位が可能であり、ガス導管漏洩検査管理システムへのCLASの活用検証においても現在のネットワーク型RTK測位と同等の検査精度を実現できると確認できました。

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セミナー-2
3)地籍測量でのCLASとLiDAR SLAMの運用に向けた実地検証
(松本コンサルタント 菅野氏)
菅野氏

株式会社松本コンサルタントの菅野雄一氏(国土調査3課 課長補佐)は、地籍調査にCLASを活用した取り組みを紹介しました。
同社が本拠を置く四国地方は森林の占める割合が7~8割と高く、山林地域では図根点(地籍測量における基準点)の設置やトータルステーションの視通確保が難しいことに加えて、携帯電話の圏外が多くネットワーク型RTKが使えず、リモートセンシングの資料では境界推定が困難なため現地での測量が必要となるなど、様々な課題を抱えています。
そこで同社は地籍調査の新手法として、CLAS及びLiDAR SLAMの活用を進めています。同社はCLASを使って一筆地測量(筆界点の測量)の精度検証を延べ1,500点以上の地点において実施しました。
2025年の実証では、精度の評価基準は国土調査法施行令(別表第四)を基準として、CLAS観測値(2セットの平均値)を地籍成果値と比較して精度を検証したところ、圃場整備後の農地(千葉県長生村)と山間部の谷間(徳島県三好市)のいずれも基準値を満たす精度となりました。

スライド-5
セミナー-3
セミナー-4

H3ロケット7号機によるHTV-X打上げ映像(2025年10月26日)を上映

セミナーの最後に内閣府の三上参事官が再び登壇し、みちびき7号機を搭載したH3ロケット9号機の打上げ(今年8月7日予定)に向けて現在準備中であると紹介しました。三上参事官は、打上げ後はみちびき衛星が計6機となり、さらに安心して使える環境になるとした上で、「これまでみちびきを使っていただいていた方はもちろん、これからみちびきを使ってみようと思う方にもよい機会となりますので、会社に持ち帰ってぜひみちびきの利用をご検討ください」と呼びかけました。

みちびきブース-1

みちびきブース-2

みちびきのブースでは、CLAS対応の3D測量ドローン「ChronoSky PF2」を展示したほか、SLASを活用した水道ナビゲーションシステム「Smart検針」(KIS)、CLAS対応のスマホ装着型測位端末「LRTK Phone」及び全方位撮影測位端末「LRTK360」(レフィクシア)、SLAS及び災危通報に対応したゴルフウォッチ「THE GOLF WATCH NORM GS501/GS601」(グリーンオン)、CLAS及びMADOCA-PPP、信号認証サービスに対応した受信機「Cohac∞Ten++」(コア)、CLAS対応受信機として「EVK-X20P」(ユーブロックス)、「Mosaic-G5 P3」(セプテントリオ)、「MA-10P/DGM10-PPP」(DATAGNSS)、「RWX.DC/RWS.DC/RWM.DC/RWS.DCM」(ビズステーション)、アンテナ一体型受信機「RWX.DC」(ビズステーション)など、各社が販売する関連機器を展示しました。ブースでは説明員がみちびきの概要を紹介したほか、展示した製品に興味を持つ来場者には最新のみちびき対応製品に関する情報を案内しました。

みちびきブース-3

みちびきブース-4

みちびきブース-5

左からChronoSky PF2(コア)、Smart検針(KIS)、LRTK Phone/LRTK360(レフィクシア)

みちびきブース-6

左からTHE GOLF WATCH NORM GS501/GS601(グリーンオン)、Cohac∞Ten++(コア)、EVK-X20P(ユーブロックス)

みちびきブース-7

左からMosaic-G5 P3(セプテントリオ)、MA-10P/DGM10-PPP(DATAGNSS)、RWX.DC/RWS.DC/RWM.DC/RWS.DCM(ビズステーション)

今回は、内閣府以外にもみちびき関連の製品や解説パネルを展示する企業がありました。

<株式会社アカサカテック>

各社の展示ブース-1

アカサカテックのブースでは、CLAS対応受信機「CLAcanS」やCLAS対応のGNSSコンパス「CLAcanS2」、CLAS対応のヘルメット装着型受信機「CLAMET」を展示しました。

各社の展示ブース-2

左からCLAcanS、CLAcanS2、CLAMET

<株式会社コア>

各社の展示ブース-3

コアのブースでは、CLAS及び信号認証サービスに対応したドローン「ChronoSky PF2-AE」や、CLAS対応のポータブル基準局「ChronoSky Base」、SLAS対応受信機「Cohac∞QZNEO」、CLAS対応受信機「Cohac∞Ten」、CLAS/MADOCA-PPP/信号認証サービスに対応した「Cohac∞Ten++」を展示しました。

各社の展示ブース-4

ChronoSky PF2-AE(左)、ChronoSky Base(中央・右)

各社の展示ブース-5

左からCohac∞Ten++、Cohac∞Ten、Cohac∞QZNEO

<レフィクシア株式会社>

各社の展示ブース-6

レフィクシアのブースでは、CLAS対応のスマホ装着型測位端末「LRTK Phone」を展示しました。

各社の展示ブース-7(高安氏)

LRTK Phoneを持つレフィクシアの高安基大代表

<株式会社NICHIJO>

各社の展示ブース-8

各社の展示ブース-9

除雪関連機器を提供するNICHIJOのブースでは、みちびきを活用した除雪作業ガイダンスシステムの情報を用いたした除雪車の自動操舵や自動投雪の開発への取り組みとして、北海道開発局が中心となり産学官民が連携して除雪現場の省力化に取り組む「i-Snow」や、NEXCO東日本が進める「ASNOS」などをパネルで紹介しました。

<アイサンテクノロジー株式会社>

アイサンテクノロジーのブースでは、内閣府宇宙開発戦略推進事務局の小峰晃彬技術参与が招かれ、「『みちびき』で変わる!建設測量の現場DX」と題し、「みちびき」の基礎から活用事例まで分かりやすく解説するセミナーを開催しました。

各社の展示ブース-8(小峰技術参与)

内閣府の小峰技術参与によるセミナーの様子

各社の展示ブース-9

会期4日間の来場者数は62,209名となり、連日多数の来場者が訪れて盛況のうちに終了しました。

(取材/文:片岡義明・フリーランスライター)

参照サイト

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