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[報告] 長崎のドローンサミットでみちびき対応ドローンのデモや講演を実施

2023年10月05日

経済産業省・国土交通省・長崎県が主催する「第2回 ドローンサミット」が2023年9月7・8日の2日間、長崎市内で開催されました。内閣府 宇宙開発戦略推進事務局は会場に展示ブースを出展すると共に、初日(9月7日)のシンポジウム「ドローン応用tech最前線!〜海・空・宇宙をフィールドとした協調」で講演を行いました。また、2日目(9月8日)にはみちびきユーザ企業によるドローンのデモンストレーションも行われました。

会場の外観

会場となった出島メッセ長崎

産官学の幅広い分野から多彩な出展

国や自治体、関連事業者が一堂に集い、ドローンに関する展示や事例発表、シンポジウムなどを行う「ドローンサミット」は昨年(2022年)9月に兵庫県で第1回目が開催され、今回が2回目の開催となります。展示にはドローンメーカーやドローンを活用したソリューションを扱う企業のほか、ドローンスクールや高等専門学校、大学、自治体など産官学の幅広い分野からの出展がありました。

展示会場の様子
展示会場の様子

展示会場の様子

みちびきの展示ブース

内閣府によるみちびきの展示ブースでは、コアのCLAS(センチメータ級測位補強サービス)対応ドローン「ChronoSky PF2」のほか、みちびきに対応したCLAS対応受信機としてコアの「Cohac∞ Ten」とビズステーションの「RWS.DCM」「RWM.DC」、みちびき対応モジュールではセプテントリオの「Mosaic Go CLAS」を展示しました。

展示ブース
展示ブース

みちびきの展示ブース

展示品の受信機

セプテントリオ「Mosaic Go CLAS」

展示品の受信機

コア「Cohac∞ Ten」

展示品の受信機

ビズステーション「RWS.DCM」「RWM.DC」

展示品のドローン

コア「ChronoSky PF2」

来場者にはドローン関連の技術者も多く、みちびき対応製品の最新情報を知っていただく機会としても好評でした。また、みちびきにあまり詳しくない方に対しては、GPSとの違いや高精度測位など、みちびきのさまざまな特徴をご案内しました。

三上参事官がシンポジウムに参加

シンポジウム会場

左からモデレーターの山本氏、石井氏、三上参事官

9月7日に行われたシンポジウム「ドローン応用tech最前線!〜海・空・宇宙をフィールドとした協調」は、モデレーターを長崎大学の山本郁夫副学長が務め、パネリストとして戦略的イノベーション創造プログラム(SIP3)の石井正一プログラムディレクターと、内閣府 宇宙開発戦略推進事務局の三上建治参事官が登壇しました。

三上参事官

三上参事官

三上参事官は、今では地図に加えて「衛星測位」も生活に不可欠なツールとなっているとして、衛星測位の原理を解説した上で、みちびきが持つGPS補完機能や、高精度測位を可能にする測位補強サービス、そしてメッセージサービスについて紹介しました。みちびきの特徴としては、1)安定した測位、2)精度の高い測位、3)低コストであること、4)海外でも使用可能なこと、5)災害時にも活躍できること、の5つを挙げました。また、みちびきのCLASを自動運転やスマート農業などの分野に活用することで、自動化や無人化が可能となり、少子高齢化による労働力不足の解消にも貢献できると語りました。

石井氏

石井氏

同じシンポジウムでは、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP3)のプログラムディレクターを務める石井正一氏が、洋上中継機ASV(Autonomous Surface Vehicles:小型無人船)とAUV(Autonomous Underwater Vehicle:自律型海中ロボット)を組み合わせた海中探査システムについて解説し、複数のAUVやASVによる協調制御に水中光無線通信技術や海中音響灯台、衛星通信などを組み合わせた広域海中自動モニタリングシステムの実現を目指すと説明しました。

三上参事官

三上参事官

三上参事官は、この石井氏の取り組みに対し、「海上ではみちびきを使用し、海の中では音響など他の技術を使って、各技術を上手くシームレスにつなぐことができれば、海洋資源の探索や人命救助などの分野において位置の精度を高められるのではないかと思います」とコメントしました。
多くの人が参加した会場では、質疑応答の場面で学生からも質問が寄せられるなど活発な議論が交わされ、好評のうちに終了しました。

CLAS対応ドローンによるフライト・点検デモ

デモ会場

デモンストレーション会場

9月8日、会場から近い長崎県庁前防災緑地「おのうえの丘」で、株式会社コアのCLAS対応ドローン「ChronoSky PF2」による高精度飛行点検デモンストレーションが行われました。晴天に恵まれたこの日は、風もさほど強くなく、ドローンの飛行には最適な天候となりました。

ChronoSky PF2

会場に置かれたChronoSky PF2

ChronoSky PF2

整備を経て、離陸するChronoSky PF2

デモンストレーションはインフラ点検を想定し、ドローンが正確な飛行をしながら、搭載したカメラで画像を撮影するという手順で進められました。離陸後、まず芝生の上に張ったロープに沿って、上空をゆっくりと飛行しました。CLASの高精度測位により、ロープの直線から左右にずれることなく正確に飛行することができました。

飛行の様子

直線に張られた赤いロープに沿って飛行

次に、パイロン(カラーコーン)の近くに置かれた三脚の目印(目標物)の上空へ移動し、目印の高さまで高度を下げてから空中でいったん静止し、再度上昇しました。CLASの高精度測位によって高さ方向の誤差も少なく、正確に降下することができます。

三脚とパイロン

三脚の目印(左)、パイロン(右)

続いて、散水栓の近くに置かれた2つのパイロンの上空に移動し、パイロン2つの中間付近で高度を下げてから再び上昇し、離陸地点に戻りました。ドローンに搭載したカメラが撮影した映像は、会場内のディスプレイに表示されました。

目印の高さまで下降(左)。会場内のディスプレイ(右)

参照サイト

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