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[報告] みちびき3号機の機体を公開

2017年06月16日

みちびき3号機(準天頂衛星システム静止軌道衛星)の機体を2017年6月15日、三菱電機株式会社鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)で報道機関向けに公開しました。同製作所の衛星工場内で公開されたみちびき3号機は、高さ約5.4m、幅約3.2m、奥行約4.1mで、太陽電池パドル展開時の両翼端間は約19mになります。

みちびき3号機

公開されたみちびき3号機

内閣府の守山参事官

内閣府の守山参事官

衛星の公開に先立ってみちびきの機能を解説した内閣府宇宙開発戦略推進事務局の守山宏道参事官(準天頂衛星システム戦略室室長)は、「衛星数増加による測位精度の向上」「電子基準点を活用したセンチメータ級の精度向上」「災害時の個人安否情報や避難所状況の防災機関への配信」「SBAS(衛星航法補強システム)信号の配信」などが特徴であると述べました。
また、欧州・シンガポールなど海外との国際連携戦略や、道路交通分野・農業分野への活用事例、情報化施工などでの応用例、無人航空機による物流実証事業についても紹介しました。

衛星安否確認サービス用アンテナを搭載

二木氏

三菱電機の二木氏

続いて三菱電機株式会社の二木康徳氏(鎌倉製作所宇宙システム部準天頂衛星システム課課長、プロジェクトマネージャ)が、みちびき2・3・4号機の概要説明を行いました。
静止軌道(赤道上の東経127度)に投入される3号機の質量は、ミッション機器などのペイロード部475kg+人工衛星としての基本機能であるバス部1210kgで、軌道遷移・制御のための推進薬と合わせると打ち上げ質量は4700kgとなります。なお、準天頂軌道に投入される2/4号機はペイロード部370kg+バス部1180kgで打ち上げ質量は4000kgです。

公開されたみちびき3号機

3号機の大きな特徴は、衛星安否確認サービス「Q-ANPI」に使われるメッセージ通信用の2つのアンテナ、直径3.2mのS帯アンテナ(展開式)と直径1mのKu帯アンテナ(固定式)が搭載されていることです。また、初号機と2/4号機のL帯アンテナがヘリカルアレイアンテナなのに対し、3号機には平面型のパッチアンテナが使われています。このほか3号機には、航空機などに対して測位衛星の誤差補正情報や不具合情報を提供するSBAS信号のL1Sbアンテナも搭載されています。

公開されたみちびき3号機

公開されたみちびき3号機

3号機の打ち上げには、固体ロケットブースタSRB-Aを4本搭載したH-IIA204型ロケットが使用されます。2017年8月11日14時頃~23時頃に種子島宇宙センターの大型ロケット発射場から打ち上げられる予定です。

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