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[報告] S-NET準備会合(東京エリア)

2015年11月13日

2016年春に向け設立準備中のスペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(略称・S-NET)は、「宇宙」をキーワードに、新産業・サービス創出に関心をもつ企業・個人・団体等が参加する新たなネットワーキング組織です。さまざまなプレイヤーが集う「場」としての役割を担い、参加する企業等を積極的に支援・コーディネートすることで、プロジェクトや事業を創出し、多くの成功事例を生み出すことを目指しています。

内閣府宇宙戦略室は11月12・13日、S-NETの東京エリアにおける準備会合を開催しました。1日ずつ「リモートセンシング」と「衛星測位」の2分野に分けて行いましたが、ここでは、13日に開かれた「衛星測位分野」準備会合を紹介します。

非宇宙の人たちとも新ビジネスを創出する

講演中の守山宏道参事官

内閣府 守山宏道参事官

冒頭、内閣府宇宙戦略室の守山宏道参事官は、2016年3月中にS-NETを立ち上げる予定で準備を進めているとして、その開設の意義を「ロケットや衛星などの伝統的な業界関係者と、これまで宇宙と関係なかった非宇宙の大企業、中堅・中小企業、ベンチャー企業、学会といった人たちとを融合させる中で新しいビジネスを出していくことが重要」と語りました。

続いてみちびきを4機体制にして実用化する事業を行う準天頂衛星システムサービス株式会社の立場から、日本電気株式会社の村井善幸氏が「準天頂衛星システムの概要と活用例」を説明。さらに欧米の資料データをもとに、衛星測位を扱うマーケットが年々拡大している状況を具体的に示しました。

講演中の石田真康氏

A.T.カーニー 石田真康氏

米国の経営コンサルティング会社「A.T.カーニー」に所属する石田真康氏は、企業経営、ビジネスの専門家として、エレクトロニクス・IT、自動車、そして宇宙という3つの業界の動きを俯瞰しつつ、今後の見通しを紹介。2000年以降、NASAが商業化政策へ切り替えた変革のタイミングで、シリコンバレーの企業やベンチャーキャピタルなど、従来の宇宙産業プレイヤーとは別タイプの企業が続々参入し、米国で民間宇宙ビジネスのマーケットが段階的に大きくなったと解説しました。

講演中の岸本信弘氏

マゼランシステムズジャパン 岸本信弘氏

講演中の菊池宣広氏

ピーエーワークス 菊池宣広氏

企業の活用事例では、マゼランシステムズジャパン株式会社 代表取締役の岸本信弘氏が「高精度衛星測位システムの自動運転への適用」として、農業に自動運転を取り入れた実用例を紹介。また、アニメ「花咲くいろは」を制作した株式会社ピーエーワークス 専務取締役の菊池宣広氏が、金沢市の第5回湯涌ぼんぼり祭りとみちびきのコラボにより東京から1泊2日のスペシャルツアーを先月行った事例を報告しました。

まず何ができるかを知り、つながることが大事

講演中の中須賀真一教授

東京大学 中須賀真一教授

最後は東京大学大学院工学系研究科の中須賀真一教授が、S-NETへ期待することとして、まずは何ができるかを知って、関連の人とつながることが大事であり、S-NETはそれらの活動をつなぐ組織になってほしいと締めくくって、会合は終了しました。

この準備会合は11月17日に京都エリアでも行われます。また、2016年3月までに名古屋、福岡、和歌山、沖縄の各エリアでも開催される予定です。

▽当日の発表資料

当日、発表いただいた資料のうち、以下のものを公開いたします。

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