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[報告] 山口放送の惠良氏が宇宙開発利用大賞で地域特別賞を受賞

2026年04月27日

第7回宇宙開発利用大賞の表彰式が2026年3月17日、東京・千代田区で行われました。宇宙開発利用大賞は、宇宙開発利用の推進に多大な貢献をした優れた成功事例の功績を称えて、宇宙開発利用の進展や宇宙開発利用への国民の認識と理解の醸成に寄与することを目的とした表彰制度です。
7回目の今回は「宇宙を拓く、新しい挑戦」をテーマに新たに地域特別賞を創設し、地域課題の解決や地域の活性化、魅力あるまちづくりにおいて宇宙開発利用を推進する観点から顕著な功績があったと認められる事例を表彰しました。
この地域特別賞に、みちびきを活用した事例である山口放送株式会社の惠良勝治氏(取締役/ラジオ局長/技術局長)の「災害・危機管理通報を活用した被災対応FMラジオ放送システムの開発」が選ばれました(記事中に記載した役職は、表彰当時のものです)。

選考委員長を務めた東京大学大学院工学系研究科の中須賀真一教授(左)と惠良氏(右)

今回、地域特別賞を受賞した山口放送の取り組みは、2023年度にみちびきを利用した実証事業として実施されたものであり、災害時等においてラジオ放送ネットワークの一部が途絶した場合でも、みちびきの災危通報(災害・危機管理通報サービス)を活用して自動放送により災危情報を途切れなく放送できるというシステムです。災危通報の常時発信が可能な「被災対応FMラジオ放送システム」を日本で初めて地上波放送で活用した事例であり、地域のラジオ局による宇宙利用の好事例として他の地域・国での利用が期待できると評価されました。

惠良氏

惠良氏は今回の受賞について、「みちびきの災危通報を、放送を通じて地域の皆様に届ける仕組みを開発できて本当に良かったと思います。地域に根差す放送局としてこれからも安心・安全情報を届けていきたい」と喜びの言葉を述べました。また、系列局やコミュニティFM局を含めた他局への横展開や海外の放送局への共有を目指しているとの展望も語りました。
みちびきの災危通報を受信して、そのまま放送で流すという仕組みは(地上設備のみでの)通信ではできないことであり、今回の受賞をきっかけに放送分野でのみちびきの利活用が拡がる点にも期待が持てる結果となりました。

地域特別賞には山口放送のほか、福岡県久留米地域のNPO法人円陣スペースエンジニアリングチームの「小型SAR衛星の技術を支える地域のものづくり中小企業の取組」が選ばれました。この日の表彰式では、内閣総理大臣賞を始めとする13賞が16件の事例に対して選定され、受賞者に表彰状とトロフィーが授与されました。

小野田大臣

内閣府特命担当大臣(宇宙政策)賞、及び内閣総理大臣賞のプレゼンターを務めた小野田紀美・内閣府特命担当大臣は表彰後のスピーチにおいて、今や宇宙分野は様々な産業や社会生活に当たり前のように活用されて不可欠なものとなっており、急速に進展する先端技術との組み合わせで、まだ見ぬ宇宙利用が次々と実現することを確信しているとして、「本日受賞された皆さまを始めとする多くの方々の挑戦が、今日及び将来の宇宙開発利用への牽引力となることに期待しています」と述べました。

(取材/文:片岡義明・フリーランスライター)

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