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[報告] GPS・QZSSロボットカーコンテスト2020をリモートで開催

2020年11月16日

今年で14年目を迎える「GPS・QZSSロボットカーコンテスト2020」(主催:一般社団法人測位航法学会、共催:一般財団法人衛星測位利用推進センター、公益社団法人日本航海学会 GPS/GNSS研究会、準天頂衛星システムサービス株式会社)の審査会が、10月31日に開催されました。
衛星測位に関わる人材育成と技術交流などを目的にしたこのコンテストでは、各々が製作したロボットカーを自律走行させて獲得ポイントを競います。例年は東京海洋大学(東京・江東区)のグラウンドで行いますが、同一会場・同一条件での開催が困難となった今年は、製作者の投稿した動画とプレゼンテーションをリモートで審査する形の開催となりました。
当日は、主催者が開設したZoom会議室に一般の視聴者を受け入れる形で審査が行われ、多くの来訪者で賑わいました。

参加者の走行動画

参加者の走行動画と、それに見いる運営スタッフ(上から安田明生・大会委員長、松岡繁・事務総長、岩城善広・競技委員長、入江博樹・事務局長兼審査委員長)

高得点期待度と独創性の2つの視点で審査

今回エントリーしたのは大学生・高専生・社会人の計16チームで、うち13チームが出走(=走行動画を投稿)しました。審査は、投稿された動画とプレゼンテーションを踏まえ、実走した場合の「高得点期待度」と「独創性」という2つの視点で、視聴者投票も加味して行われました。

「AREND EVOLUTE」(Team Katy)

高得点期待度で優勝、独創性部門で準優勝の「AREND EVOLUTE」(Team Katy)。車載カメラによる爆走映像も高評価につながった

「シラス丸」

高得点期待度で準優勝の「シラス丸」。多周波対応アンテナとCLAS対応受信機搭載に注目

「WhiteBox」(TUTものづくりサークル)

独創性部門で優勝の「WhiteBox」(TUTものづくりサークル)。2輪差動機構や3Dプリンタ、太陽電池パネルも目を引いた

競技委員長の岩城善広氏は、昨年に準じた走行ルールだったが、それぞれが工夫を凝らし、事前の想定以上の人たちが参加してくれたとした上で、「リモート形式にしたことで情報交換や技術交流をより実りあるものにできました。と同時に、周囲に気兼ねなくロボットカーを走らせる“リアルな場”が、大変貴重だということも、参加者の声から伺い知ることができました」とコメントしてくれました。

赴任先のタイ・バンコクから参加し、事務局長兼審査委員長を務めた熊本高等専門学校の入江博樹教授も、次のように大会を振り返りました。
「昨年から本格的に使われ始めた2周波モジュールを各チームが使いこなすなど、確実な進化の跡が見られました。優勝したAREND EVOLUTE(Team Katy)は、制御アルゴリズムのプレゼンテーションも走りっぷりも素晴らしく“令和の爆走王”と呼びたくなりました。今年は初のCLASを活用したロボットカー“シラス丸”も参戦し、将来に期待の持てる確実な走行ぶりを見せてくれました」

事務局では、次回はリアルとリモートのメリットを享受できるハイブリッド形式の開催も見据えて、さらに参加者の裾野を広げ、交流を深める場にできればと考えています。

(取材/文:喜多充成・科学技術ライター)

参照サイト

※本文及びヘッダ画像:「GPS・QZSSロボットカーコンテスト」公式サイトより