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[報告] 「立教小学校情報科」授業見学レポート（2015年度）

2016年03月24日

東京都内にある立教小学校でみちびきを教材にした授業が行われました。2014年度に引き続いて2度目の実施です。今年度も先進的な取り組みとして行われた、授業の様子を紹介します。

ミッションは、学校内の4つのポイントを探すこと

授業を行うのは情報処理を専門に教えている石井輝義先生です。
今年度も4年生を対象として3週にわたって行われました。

テーマは「学校内に設定した4つのポイントを探すミッション」です。
・ミッションSTEP 1
　─ みちびき対応の受信機QZ1LEと、iPad miniをBluetoothで接続する
・ミッションSTEP 2
　─ 教室を出て、実際に設定ポイントを探しに出かける
・ミッションSTEP 3
　─ 探した設定ポイントをまとめる

授業はiPad mini ＋ iTunes U と石井先生が用意したコースを使って進めます。コースは子どもたちの活動を中心に組み立てられており、思い切ってミッションに挑戦していきます。なお、石井先生は今回あえて「ミッション」という言葉を使いました。他にも「チーム」や「作戦会議」といった表現も。ムード満載の言葉づかいで子どもたちの気合も十分！モチベーションが一気に上がります。

ミッションSTEP 1：接続する

ミッションSTEP 1は3月2日（水）の授業で行いました。クラスを4人一組のチームに分けて作戦会議を開始します。QZ1LEとiPad miniをBluetoothで接続する係を決めて、実際に接続してみます。

Bluetoothの接続ができたチームは、みちびきについて調べます。

今回の授業ではミッションSTEP 2に向けた作戦会議も行いました。STEP 2ではQZ1 LEを持って測位する係、測位したデータをiPad miniで確認する係、データから正しい設定ポイントをみちびく係、探した設定ポイントを写真撮影する係など...いろいろな役割が必要です。それを子どもたちが自ら決めて、チーム一丸となって取り組んでいきます。

ミッションSTEP 2：ポイントを探す

ミッションSTEP 2は、主に3月9日（水）の授業で行いました。教室の外に出て学校内に設定された4つのポイントを探します。子どもたちには4つのポイントの緯度・経度と、その場所が一部映ったヒントの写真だけが示され、QZ1 LEから得られる現在地の緯度・経度をたよりに探します。ヒントは、下の画像のように受信機だけを拡大した、どこの場所かはよく分からない写真です。

緯度・経度とにらめっこしながら右往左往が続きます。

実際のところ、小学4年生はまだ緯度と経度の学習が終わっていません。でも子どもたちは屈することなく設定ポイントを探し回ります。まさに宝探し感覚です。そして探した設定ポイントで緯度・経度が分かる画面のキャプチャと、その場所が分かる写真を撮影しました。

ミッションSTEP 3：成果をまとめる

ミッションSTEP 3は主に3月16日(水)の授業で行いました。
ミッションSTEP 3は、STEP 2の指令で取得した2つの写真を使ったまとめ作業です。
学校の俯瞰図に、探した設定ポイントをマークして画像を挿入します。

まとめでは、設定ポイントが正しく探し出せていることはもちろん、それがどこか、ちゃんと分かる写真になっているか、俯瞰図上で見やすく表現できているか、いろいろなテクニックが必要です。もちろん、メンバーで協力しないとミッションは達成できませんし、制限時間もあります。そして、次のようなまとめの結果ができ上がりました。

子どもたちがまとめた結果はさまざまですが、教室でまとめながらもさらに良い写真をもう一度、撮りに行くなど、ブラッシュアップしていく様子も見ることができました。

授業を通して学んだこと

全チーム指令達成したクラスや、慎重な作業を重ねて時間が足らなくなってしまったクラスなど、各ミッションを通じてさまざまな個性を知りました。石井先生は、そうした作業の中で、達成できたクラスには達成できて学んだことが、達成できなかったクラスには達成できなくて学んだことがあると語り、均一的に作業が進んで同じような結果が出るよりも、個性を尊重し、そこから次の学びにつなげることが大切との思いを打ち明けてくださったのが印象的でした。

石井先生、そして立教小学校の皆さん、今年もありがとうございました。