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[報告] 国土交通省性能評価センターで「空の日」一般公開

2025年11月17日

毎年9月20日の「空の日」と9月20~30日の「空の旬間」には全国各地の空港等で航空に関する様々なイベントが開催されています。茨城県常陸太田市にある国土交通省性能評価センターにおいて2025年9月27日、空の日・空の旬間を記念した一般公開を行いました。ここでは航空機の運航や航空管制に必要となる通信や航法、監視などのサービスを提供しているほか、みちびきの地上システムである「主管制局」と「追跡管制局」も併設されており、準天頂衛星システムサービス株式会社が管制運用を行っています。

建物正面

常陸太田市にある国土交通省性能評価センター

当日は、事前応募の中から抽選で選ばれた64名が参加し、午前・午後の2組に分かれてそれぞれ約2時間かけて施設を見学しました。みちびきの運用室や追跡管制局のレドーム(アンテナを収めたドーム型施設)、航空管制の運用室、センター屋上及び非常用発電装置などの設備を見学し、スタッフから業務内容や機器に関する説明を受け、質疑応答も行いました。

建物屋上-1
建物屋上-2

市内を一望できる建物の屋上

解説者-1

性能評価センターの山口所長

施設見学に先立つ事前説明では、国土交通省性能評価センターの山口敬人所長が挨拶に立ち、施設の概要と「空の日」一般公開の趣旨を説明しました。

説明風景-1

施設説明の様子

解説者-2

NECの廣澤氏

続いてみちびきの運用を担当する日本電気株式会社の廣澤 樹氏が、衛星測位の仕組みとみちびきの概要として、みちびきとGPSの違い、みちびきが8の字軌道を描きながら地球を周回している点、みちびきの機能と提供するサービスなどについて解説しました。

説明風景-2

みちびきの概要説明

性能評価センターの岩井亘氏は、同センターの業務内容について、航空機の運航の安全に必要不可欠な「通信」「航法」「監視」を多角的に取り扱う組織として、必要なシステムの性能を監視・分析・評価していると説明しました。具体的には、衛星の利用可否情報の提供や、みちびき3号機が配信するSBAS(衛星航法補強システム)信号の提供、データリンクを用いた航空管制用のデータ通信の中継及び専用ネットワークの運用維持管理などを24時間365日実施して、空の安全の確保に努めていると話しました。

解説者-3

性能評価センターの岩井氏

運用室-1

みちびきの運用室

参加者は、みちびき主管制局の運用室を見学しました。みちびきは衛星システム(現在5機で運用)のほかに、地上システムとして主管制局(常陸太田/神戸)と追跡管制局(常陸太田、種子島2局、沖縄本島2局、久米島、宮古島2局、石垣島、奄美大島の計10局)、監視局(国内13局・海外22局)が置かれています。この日は、みちびきの状態監視大型モニターや監視局を監視するモニターなどが並ぶ運用室で、業務を行うスタッフの様子を公開しました。

レドーム-1

レドームの外観

レドーム-2

内部の可動式アンテナ

同センターの敷地内には、みちびきと通信するアンテナ設備・送受信設備を持つ追跡管制局も設置されています。常陸太田局では静止衛星であるみちびき3号機の追跡管制を行っており、参加者はレドームに入り、三菱電機株式会社の峰田信之氏の解説のもとで可動式アンテナを見学しました。

解説者-4

三菱電機の峰田氏

レドーム-3

見学中の様子(左)と可動式アンテナ(右)

展示室-1

展示室を見学

センターには展示室も設けられ、みちびきのLバンドヘリカルアレイアンテナの開発試験用モデル、Q-ANPI(衛星安否確認サービス)端末などを展示しました。

展示室-2

展示室に並べられた模型やパネル

展示室-3

展示室-4

みちびき6号機(左)と3号機(右)の模型

展示室-5

Lバンドアンテナの開発試験用モデル

展示室-6

Q-ANPI端末(左)と付近の地形を示すジオラマ(右)

説明風景-3

見学終了後の質疑応答

参加者には子どもを連れたファミリー層が多く、幅広い年齢の方々が施設を見学しました。見学を通して、性能評価センターの活動やみちびきの役割を身近に感じてもらうことができ、業務と現場への理解を深めていただけました。引き続き、近隣住民の皆さまのご理解やご共感を得ながら、サービス提供業務を進めてまいります。

スタッフ写真-1

常陸太田市のマスコット「じょうづるさん」と性能評価センターの皆さん

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