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JR東海、3次元測量で枕木の厚さを高精度に測る装置を開発

2017年01月17日

東海旅客鉄道株式会社(JR東海)は2016年12月7日、3次元測量技術により枕木の厚さを高精度に測量することができる測量装置を、同社の小牧研究施設において開発したと発表しました。これは、衛星測位技術をさまざまなインフラの測量作業に活用する事例の一つで、大量の測量をミリ単位の精度で短時間に行えるため、作業員による手作業の測量に比べて大幅に効率化を図ることができます。

レール上を自走しながら高精度に測量

この橋りょう枕木測量装置は、GPSに加えてレーザースキャナーや走行距離計などで構成されており、電動で走行可能な台車に搭載し、オペレーターの操縦でレール上を時速2kmの速度で自走しながら測量を行えます。レーザースキャナーの位置や角度を変えて複数回測量することで、敷設された橋りょう枕木の3次元位置情報を、最大誤差プラスマイナス1mmの高精度で効率的に取得できます。

橋りょう枕木測量装置

橋りょう枕木測量装置

仕組み図

測量のイメージ

測量作業

装置導入後の測量作業

これにより、1日当たりの測量可能な距離は、作業員の手作業の測量に比べて、従来の30mから600mへと約20倍に向上します。さらに、橋りょう上の不安定な姿勢での測量作業が不要となり、作業の安全性が向上するという利点もあります。

従来の手作業での測量作業

従来の手作業での測量作業

枕木の厚さを変えて快適さを確保

JR東海では2009年より東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策を実施しており、その一環として今年度からは、無道床橋りょうにおける脱線防止ガードの敷設を進めています。

無道床橋りょうに設置した脱線防止ガード

無道床橋りょう(左)と、無道床橋りょうに設置した脱線防止ガード(右)

無道床橋りょうでは、列車通過の際に列車荷重で橋りょうに"たわみ"が発生するため、このたわみを考慮して橋りょう枕木の厚さを連続的に変えて設置することで、快適な乗り心地を確保しています。このため、橋りょう枕木の交換に当たっては、作業員が定規などを使って厚さを1本ごとにミリ単位の精度で測量し、同じサイズの橋りょう枕木を製作する必要がありました。

たわみの量を考慮した橋りょう枕木

たわみの量を考慮した橋りょう枕木

現在計画している無道床橋りょうでの脱線防止ガード敷設(24.4km)を進めるに当たっては、今後、約3万本を専用の橋りょう枕木に交換する必要があり、それに伴って測量作業を大量に行う必要があるため、今回発表した測量装置の開発に至りました。この装置は昨年11月、株式会社アスコ大東と共同で特許を出願しています。

参照サイト

関連情報

※ヘッダの画像は、イメージです。本文画像提供:東海旅客鉄道株式会社

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