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KDDIとエコモット、北海道で祭り神輿の位置情報サービスを提供

2019年08月26日

IoT機器を使ったソリューション事業を手掛けるエコモット株式会社(本社、札幌市)とKDDI株式会社は、8月9~11日に北海道江差町で行われた「江差・姥神大神宮渡御祭」で、神輿や山車のリアルタイム位置情報を配信する「山車ロケーションマップ」に技術協力を行いました。

HLP-200

HLP-200

山車ロケーションマップのキャプチャ画像

山車ロケーションマップのキャプチャ画像

50gに満たない位置情報端末

神輿1台と山車2台に装着されたのは、みちびきの衛星測位サービスに対応したエコモット社の小型位置情報端末「HLP-200」です。LPWAの低消費電力というメリットを生かしつつ、既設のLTE基地局経由で通信を行う「LTE-M」に対応した通信モジュールや、数日間〜数週間の動作を可能にするバッテリーを内蔵しつつ、50gに満たないパッケージ(防水ケースを含めると約55g)の小型デバイスです。
GPSとみちびきの測位信号をキャッチするほか、測位衛星の電波が受けられない場合はWiFiアクセスポイントやLTE基地局の電波などを利用して測位を行い、その結果を5分おきに発信します。データは、KDDIの「IoTクラウド Standard」に集約され、江差町の観光情報ポータルサイトにスマートフォンなどでアクセスすることで、車列の現在位置を把握できるというものでした。

江差・姥神大神宮渡御祭

「江差・姥神大神宮渡御祭」は夏の北海道を代表する大祭。華やかな人形を配した13台の山車が江差の町内を練り歩きニシン景気を彷彿とさせる。北海道指定無形民俗文化財。

みちびきで測位の安定性が劇的に改善

北海道では2018年4月に「北海道衛星データ利用ビジネス創出協議会」が設立されています。この協議会は北海道庁の経済部が宇宙産業育成を目指し設立したもので、エコモット社は同協議会の「みちびきワーキンググループ」(顧問/野口伸・北大教授)にもメンバーとして加わっています。エコモット社で製品開発を担当する細川博之さん(開発本部製品開発部長)は、みちびきのパフォーマンスに対する信頼感を語ります。
「当社は自社開発した通信機能付きドライブレコーダーを使い、社有車の位置情報管理と交通事故削減に向けた情報提供を行う、Pdrive* と呼ぶソリューションサービスを提供してきました。基盤となるのは位置情報ですが、初期のモデルではなかなか測位が安定しませんでした。しかし最近、測位チップをみちびき対応のものに変え、みちびきを測位に利用する設定としたところ、位置情報の安定性が劇的に改善しました。」(細川部長)

今回の山車ロケーションマップで使ったHLP-200でも、測位チップそのものはマルチGNSS対応ながら、省電力と測位の安定性を両立させるため、利用する衛星は、みちびきとGPSのみに絞っているといいます。
細川氏は「今回取得したデータを精査しつつ、WGで知った利用実例なども参考にしながら、新たなビジネス化の種を探っていきたい」とコメントしています。

* Pdrive:社有車などの管理車両の位置や走行速度、危険運転(急ハンドル・急停止)、事故時の情報(10秒前後の動画)を送信。Webブラウザ上でリアルタイムにそうした情報を把握することで、安全運転に役立つ情報提供をドライバーに向けて行うサービス。

(取材/文:喜多充成・科学技術ライター)

参照サイト

※画像提供:エコモット株式会社、北海道江差観光みらい機構