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安全で楽しい登山を! 緻密なプランニングを可能にする「ヤマプラ」

2015年09月21日

富士山の世界文化遺産登録や「山の日」の制定(2016年8月11日より)に象徴されるように、登山人気は高まっています。いっぽう山での遭難件数も増えており、御嶽山噴火のような突発的な災害もあって2014年にはこれまでで最も多い2,293件の遭難が報告されています。

登山人口の増加は登山初心者の増加ということになりますが、初心者と上級者のギャップを埋めるのは、事前の準備と正確な情報に基づく緻密なプランニングです。そのプランニングを支援し、より多くの人に安全に登山を楽しんでもらおうと、登山ファンのコミュニティサイト「ヤマレコ」と、「山と高原地図」を発行する株式会社昭文社のコラボレーションにより、「ヤマプラ」というサービスがスタートしました。

「ヤマプラ」の画面例

「ヤマプラ」のプランニング画面(提供:株式会社ヤマレコ、株式会社昭文社)

登山ファンのSNS「ヤマレコ」には多くの登山ファンが集い、65万件近い登山記録と1,700万枚以上の投稿写真が集積されています。いっぽう半世紀以上の歴史を誇る昭文社の「山と高原地図」では、実踏調査に基づいて全国1,500件の山岳情報が網羅されています。

登山プランの作成支援サービス「ヤマプラ」は、地図上に示された白丸のポイント(地名)をクリックしてつなぐことで、自動的にコースを作成でき、所要時間の計算も行えます。出発時刻や各ポイントでの休憩時間を入力することでルートごとの所要時間や目的地の到着時間も表示できます。初心者に困難なルートや体力を費やすルートの情報も表示されるため、無理のない登山プランを作成することができます。

また作成したルート地図は、スマートフォンに書き出し、端末のGPS機能を使って。山行記録のログとして残すことができます。もちろん携行用に印刷したり、さらに所持品などを追加した上で都道府県や警察に提出する「登山計画書」とすることもできます。

任意提出なのでなかなか提出数が伸びない登山計画書ですが、御嶽山噴火の教訓を踏まえた活動火山対策特別措置法の改正(2015年)により、提出が「登山者の努力義務」の1つと位置づけられました。遭難後の救援のためでなく、遭難を避けるための事前プランニングの成果として登山計画書が作成できてしまうことが、非常に価値のある点だと言えるでしょう。サービスは今年7月29日からスタートしており、「ヤマレコ」への会員登録(無料)を行えば利用することができます。

参照サイト

※ヘッダの画像はイメージです。

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