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AITOYAがCLASを活用したクレーン衝突防止システムを開発

2024年07月08日

2019年に創業した、IoT 機器や位置情報機器の企画・製造・販売を行うスタートアップ企業のAITOYA株式会社が、建設機械のレンタルや機器の改良・開発を行う株式会社エスシー・マシーナリと共同で、みちびきのCLAS(センチメートル級測位補強サービス)を活用したクレーンの衝突防止システムを開発しました。

アーム先端と運転席にCLAS受信機を設置

クレーン説明図

クローラクレーン(左)とタワークレーン(右)に対応

このシステムは、工事現場で使用されるクローラクレーンやタワークレーンのジブ(荷の吊り上げを行うためのアーム部分)の先端、及び運転席(キャビン)付近に、それぞれCLAS対応のGNSSアンテナと受信機を取り付けることにより、クレーン同士が接近した場合に警告音で注意を喚起して衝突事故を防ぐ仕組みになっています。
CLAS対応受信機にはセプテントリオの「Mosaic-CLAS」を使用し、計測した位置情報はクラウドにあるサーバーに転送されます。

ジブ付近

ジブに取り付けたGNSSアンテナと受信機

キャビン付近

キャビン付近に取り付けたGNSSアンテナと受信機

システム図

システム構成図

毎秒5回の計測でクレーン間の距離を算出

クレーンの位置を毎秒5回の頻度でCLASにより計測することで、各クレーンのジブ先端及び旋回中心の位置情報をもとにクレーン同士の距離を割り出せます。クレーンのオペレーターは、キャビンに設置されたiPadのブラウザ画面上で、自機や他機の位置やジブの向き、最短位置にある他機までの距離を確認できます。iPad上でクレーンの位置表示は0.2秒ごとに更新されます。

画面例

iPadに最短位置の他クレーンまでの距離が表示される

両社が検証したところ、CLAS測位の誤差は想定範囲内であり、FIX率もオープンスカイ環境においてジブ先端のアンテナでは9割5分を記録し、良好な結果となりました。なお、キャビン脇のアンテナについては、ジブによって衛星電波の一部が遮られることがあり、7~9割の間で変動したそうです。AITOYAでは今後、エスシー・マシーナリとも連携して、このシステムを建設現場などで積極的に活用してもらうよう働きかけを行っていく予定です。

詳細は、AITOYAのウェブサイトでご確認ください。

※記事中の画像・図版提供:AITOYA株式会社、株式会社エスシー・マシーナリ

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