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奈良市、認知症高齢者の見守りにGPS端末貸出を開始

2015年08月21日

奈良市は9月から、認知症等で行方不明になる可能性のある高齢者の情報を事前に登録し、所在が分からなくなった時の早期発見に役立てる「安心・安全“なら”見守りネットワーク」を開始します。

ネットワークへの登録は親族や後見人が行い、行方不明になった時は市や警察、民生児童委員協議会などが支援して、高齢者の安全を確保し、家族を支援します。また、希望者にはGPS端末を貸し出し、QRコードのシールを配布します。

ネットワークの仕組み図版

「安心・安全“なら”見守りネットワーク」の仕組み(提供:奈良市)

GPS端末を活用することで、居場所を検索・特定し、より早期発見に努め、事故の防止を図ります。市が初期費用(加入料金と付属部品)7,000円(税別、以下同)を負担し、利用者は1人月額500円の基本料金と、位置情報の取得を利用するごとに1回最大200円を支払います。他に現場へ急行する料金として1時間につき10,000円の対応も設定されています。

QRコードのシールは、持ち物や帽子、靴など身に着けるものに貼っておくことで、徘徊時に発見した人がその場で携帯電話などで読み取り、すぐに連絡することで早期発見につなげます。

「住み慣れた地域の、よい環境で自分らしく暮らし続けられる」社会へ

厚生労働省の「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」は、わが国の認知症有病者数を、2012年時点で約462万人(=65歳以上高齢者の約7人に1人)と推計しています。高齢化の進展に伴ってこの数は増加し、2025年には約700万人前後(=同じく約5人に1人)になると見られています。

奈良市内の現在の認知症有病者数も、推計約1万5,000人で5年前より約2,400人増加しました。新オレンジプランは「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けられる」社会の実現を目標にしており、今回の奈良市の試みもその一環として実施されています。

奈良市では、2008年より認知症に関して正しい知識を持ち、認知症有病者やその家族を手助けする「認知症サポーター」の養成も進めています。今後は、養成講座を受講した各種団体などにネットワークの協力機関として登録を働きかけていく予定です。

※ヘッダの画像はイメージです。

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